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格差拡大を放置すると日本の社会は瓦解する

東洋経済オンライン 4/30(日) 6:00配信

格差の拡大が社会に深刻な分断をもたらしている。「平等な関係」を構築するため、いかに制度を構想すべきか。『不平等を考える:政治理論入門』を書いた早稲田大学政治経済学術院の齋藤純一教授に聞いた。

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■有利―不利の違いは人々の関係のあり方を決める

 ──なぜ「平等な関係」を築かないといけないのですか。

 人々にさまざまな点で違いがあることは事実であり、能力や才能の点で互いに等しくはない。問題は、そうした違いが社会の制度や慣行の下で互いの関係における「値しない」有利―不利の違いへと変換されていく点にある。値しないとは、その人に「ふさわしくない」、もっといえば「不当である」という意味合いを含んでいる。機会の平等への道が閉ざされ、将来の見込みのストーリーが成り立たなくなる。

 ──有利―不利の違い? 

 有利―不利の違いは人々の関係のあり方を決める。不利な立場にある人は、より有利な立場にある人の意に沿うことを強いられやすく、また、劣った者として扱われ続ければ屈辱の感情を抱かずにはいられない。不平等が過度のものとなり、固定化すれば、何とか不利を挽回しようとする意欲すら持てなくなる。

 ──社会的には貧困問題にフォーカスされています。

 格差の拡大それ自体が社会のまとまりを破壊し、分断していく。そういう社会に日本もなってきた。誰と結婚するかばかりでなく、どこに住むか、どこで教育を受けるかなど、あらゆるところで分け隔てられる社会になりつつあるのではないか。

 人々が互いのことを知らない。とりわけ裕福な人が、厳しい状況にある人の実態をつかめなくなっている。となると、たとえば社会保障制度で年金を一緒に維持していく動機がわからなくなっていく可能性がある。裕福な人は私的年金で済むから公的年金をやらなくていいと。社会の連帯、統合の面では大いにまずい。経済的・社会的な不平等が政治的影響力の格差にも波及していってしまう。

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最終更新:4/30(日) 6:11

東洋経済オンライン