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「どうして私だけ幸せになれないの?」親友の結婚を祝福できない女の、密かな胸の内

4/30(日) 5:20配信

東京カレンダー

やみくもに婚活に励むのは、もう終わり。

ある強かな女たちは、婚活の場をワインスクールへ移した。

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スクールに通うほどワインが好きな男は、高い年収を稼ぎ、洗練されたライフスタイルを送っている者が多いはずだ。

ワインの知識を深めながら、虎視眈々と男性を見定める女たち。

果たして、その思惑は実るのだろうか?


婚活のため”表参道ワインアカデミー”へ入学した美咲だが、研二との食事会での撃沈や、芹那・雅彦とのいざこざなど、トラブルに見舞われてばかりの日々が続く。

そんな中、クラスメートの真千子という存在だけは、美咲にとって心の拠り所となっていた。

とある金曜の夜。美咲は真千子に誘われ、六本木のビストロ『トリプルアール』で久々に2人での食事を楽しんでいた。

豊富に取り揃うワインリストの中から、美咲はカリフォルニア・ナパヴァレーのカベルネ・ソーヴィニョンをセレクトした。完熟したブラックベリーやドライハーブ、ほのかなスミレの香りが漂うフルボディの赤ワインだ。

「実は、今日は報告があるの」

口の中に広がるワインの余韻を楽しみながら、和牛のステーキを堪能している美咲に向かって、真千子がタイミングを見計らったように切り出した。

「このたび、私、結婚することになったの」

真千子の口から突然飛び出した一言に、ナイフとフォークを動かす手が凍りつき、言葉の意味を理解するのに数秒を要した。

「えっ、そうなの…?」

急速に湧き上がってくるモヤモヤした感情を、ワインと一緒に無理やり喉の奥に流し込み、なんとか言葉を返す。

「真千子ってば、いつのまに?最近は恋愛よりもっぱらワイン、って言ってたのに、実は婚活してたのね。どこで出会ったの?」

美咲はそう言いながら、動揺を微塵も顔に出さないよう努め、自然な笑顔を取り繕うことに成功した気がした。しかしそのあとの真千子の返事は、予想すらしていないものだった。

「実はワインスクールのクラスメートなの」

驚きのあまり椅子ごとひっくり返りそうになったが、なんとか踏ん張ってバランスを保ち、恐る恐る尋ねる。

「クラスメートって、だれ…?」

「うん、敏也さん」

名前を聞いてもすぐにはピンとこなかった。しかし真千子に「ほら、弁護士の…」と職業を言われた途端、顔を思い出した。

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最終更新:5/8(月) 17:20
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