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日本の介護事業には本人の自由がない。オランダに学べ。

5/1(月) 8:00配信

BEST TIMES

日本の介護事業は「ニーズ」と「本人の希望」を汲み取れていない――?  「ささえるクリニック」で在宅医療を推し進める村上智彦医師は、自身も発症した急性 白血病との闘病経験から「ケア」の重要性を説く。村上医師の新著『最強の地域医療』( ベスト新書)から、「ささえるクリニック」がモデルにしているオランダの介護事業を解 説。

介護事業のあるべき姿

  

 福祉の先進国として知られるオランダで、6000人くらいの雇用を生み、利用者は6万人ほどいます。しかも利用者も提供者も満足度が高く、今やドイツ、フランス、アメリカ等へもノウハウを提供する輸出産業になっています。

 仕組みは実にシンプルで、12人の看護師と介護士のチームが沢山存在し、それぞれのチームが50人くらいの利用者に対応します。そして、チーム内にリーダーを置かないことで、チームの一人ひとりが自律的に専門性を発揮できるようにしていることが特徴です。

 チームにはバックオフィスが存在し、コーチングやアドバイスを行い、また独自のウェブで各チームが交流し情報交換を行っています。

 大切なのは、それぞれのチームが独立して運営され、利用者の評価・計画・実行を独自に、臨機応変に行っていき、全国統一のプロトコールやマニュアルよりも、チームと利用者の話し合いで運営されているということです。

 日本では情報を聞き取る人、ケアプランを立てる人、実践する人が分かれていますが、ビュートゾルフではその分の経費も時間も節約されるし、スピード感もあります。

 実はオランダも以前は、ケアと言えば大きな施設に大きな会社、全国統一プロトコール、マニュアルが普通で、今の日本と同じような感じだったそうです。

 ただそれだと、「施設に入ってしまうと後は死ぬのを待つだけ」「地域や家族とも関係性が分断される」「職員が何でもやってくれることで、本人は何もできなくなっていってしまう」といった教訓から、「生活とケアを分離する」ことを基本に aging in place を実現するためにできてきたのがビュートゾルフです。

 そして世界一高齢化の進む日本でも、満足度も高く、経費も安いこのシステムを取り入れようと考えられたのが「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」という少々長ったらしい名前の制度です。

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