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テスト飛行に成功した「電動飛行機」

5/1(月) 12:20配信

WIRED.jp

2017年4月某日、ミュンヘンの空で記念すべき初飛行を成功させた独スタートアップ・Lilium Aviation。36個のモーターで駆動する5人乗りの飛行機で、彼らはどんな未来の交通網を設計しようというのか。テスト飛行を終えたばかりのファウンダーを、『WIRED』ドイツ版編集長、ニコラウス・ロトガーが直撃した。

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それは、“尾翼のない飛行機”だった。一見、奇妙にみえるが、そうであるべき理由がある。電動式の垂直離陸ジェット機を実現するには、機体を重くするものは可能な限り省く必要があったのだ。ゆえに、Lilium Aviationのファウンダー兼CEO、 ダニエル・ウィーガンドは尾翼を切断した。至ってシンプルに。

Lilium Aviationのチームがつくったのは、世界初の電動飛行機だ。翼を使った飛行だけでなく、垂直に離発着することもできる。2017年4月初旬、このミュンヘンのスタートアップは VTOL(垂直離着陸式:vertical landing and take off)ジェットの初飛行に成功した。その飛行機が「空中浮遊モード」から「前方飛行モード」に途切れることなく移行できるのを示したのだ。

ウィーガンド氏が抱いている構想は、このジェットを使った「垂直飛行タクシーサーヴィス」だ。アプリを使って飛行機を停留所に呼ぶ、というわけだ。

実際のところ、彼らLilium以外のメーカーもこのアイデアに取り組んでいる。ドイツ・カールスルーエのVolocopterや、中国のEHang(億航)によるドローンがそうだ。これらの企業が開発するのは、Liliumの飛行機とは違ってプロペラのある機体で、飛行距離もLiliumが想定している距離よりもさらに短い。ウィーガンド氏の計画では、300kmの距離を時速300kmで、5人を乗せることができるという。

ガソリンで動くエアロモービルやTerrafugiaの空飛ぶクルマと比べると、電気モーターで飛ぶLilium ジェットの消費エネルギーは、はるかに少なくてすむ。

その理想を実現する完成品ができるまでに、あと数年は掛かりそうだ。しかし、Lilium設立時からの投資家、フランク・テレンは次のように述べている。「Liliumは、新たな産業を確立するでしょう。飛行コストは数年以内に、自動車移動のコストより低くなるはずです」

マイクロソフトによって買収されたToDoアプリ「Wunderlist」のファウンダー、クリスチャン・リバーは約2年前から投資をしてきたひとりだし、2016年末には、Skype創業者のニクラス・ゼンストロームの投資会社、アトミコも参加している。

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最終更新:5/1(月) 12:20
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