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「男性カップルに子どもは育てられるのか?」 大阪で「里親」認定、課題は?

NIKKEI STYLE 5/1(月) 16:40配信

男性カップルに「里親」認定 多様な家族、考える時

 大阪市で昨年12月に男性カップルが「養育里親」に認定されました。同性カップルの里親は日本でほとんど例がなく、2つの観点から注目を浴びています。

 1つは里親の確保です。養育里親は虐待や貧困などで親元で育てられなくなった子どもを希望者が預かる仕組みです。厚生労働省によると、日本では養護が必要な子が約4万5千人いますが、里親に預けられる子はわずか1割で、9割は施設にいます。米国や英国では8割以上が里親の下で育つのに比べて極端に少ないのです。

 子どもが家庭的な環境で育つよう里親を増やそうとしていますが、なり手は少ないままです。里親になるには「きちんと育てられる人か」という行政の審査を受けます。夫婦でなければいけないという法律はありませんが、実際には結婚している男女の夫婦がほとんどでした。今回、大阪市は「性別に関係なく養育への熱心さなどで判断した」といいます。

 法律上の夫婦でなければ、2人共同で未成年の養子をとり法律上の親になることはできません。子を育てたい同性カップルの選択肢に里親が入るようになれば「養護が必要な子の新たな受け皿になる」(立命館大学の二宮周平教授)と期待する声が出ています。

 2点目は、今回の里親認定が同性カップルが子どもを持つ議論の第一歩になるのではないか、という観点です。

 「同性カップルに子どもが育てられるのだろうか?」と思う人もいるかもしれません。京都産業大学の渡辺泰彦教授は「欧米では同性カップルに育てられた子の成長について研究が進み、社会学や心理学の観点からは問題ないという考えが主流になった」と言います。こうした研究を背景に、海外では約20カ国・地域で同性婚が認められるようになり、そのほとんどが養子縁組を認めています。

 ベルギーやオランダ、ニュージーランドでは精子をもらうなど生殖補助医療によってできた子どもも同性カップルの子として認めるようになりました。どの国でも慎重な意見はありますが、大きな流れは二人のパパ、二人のママといった多様な家族を認める方向にあります。

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最終更新:5/1(月) 16:40

NIKKEI STYLE

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