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デザイン主導で「イノベーション支援」する方法

5/1(月) 18:30配信

Forbes JAPAN

世界的企業は今、なぜ「デザイン×経営」なのか──。「21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由」の著者でbiotopeのCEO、佐宗邦威氏が、協働や共創にデザインを活用している先進企業への取材し、その事例を紹介していくこの連載。



今回のインタビュー相手は、セールスフォース・ドットコム(以下、セールスフォース)のマリオ・ルイーズ氏。2014年2月に世界で開始した顧客向けのイノベーション支援プログラム、「Ignite」のグローバルトレーナーである氏に、同社が顧客の経営課題に共に取り組み変革を生み出す手法について聞いた。

佐宗:マリオさんはデザイナーとしてキャリアを積み、自分自身でもデザイン事務所を運営されていました。その後現在は、大企業でマネジメントに近い立場で仕事をされています。この取材では、あなたがデザインの可能性についてどのようなビジョンを抱き、マネジメントとデザインを融合させる上でどのような挑戦をしているかをお伺いしたいと思います。

まずは、マリオさんが所属されている「ignite」プログラムについてお聞きしたく思います。どのような経緯ではじまったのでしょうか。

マリオ:「ignite」は弊社の顧客向けのイノベーションチームとして、顧客のためのデジタル・トランスフォーメーションのビジョン作りを支援しています。

セールスフォースは、ビジネスを行う上で、顧客とより戦略的な議論を交わす必要があり、「ignite」は顧客との接し方を変える方法でした。「どうすれば顧客とともに考え、より戦略的に顧客の価値をつくり出せるか」という観点からはじまりました。

これまで3年間行ってきましたが、小さくはじめ、現在のサイズまで成長してきました。現在のアプローチでは、タンジブル(実体がある)なアウトプットを提供しています。「プロトタイプをつくり、実際の体験を通じて、戦略を作っていく方法」がこのプログラムの価値となっています。

佐宗:プログラム自体の成長にとって、鍵となる出来事は何だったのでしょうか。

マリオ:ひとつは、我々が「価値」を提供することにフォーカスしていたということです。それは技術中心ではなく、人間中心のアプローチをとること。現在のビジネスはとても複雑化していますが、人間中心のアプローチをとることで複雑さを軽減させることができます。だからこそ、多くの理解や協力、協働につながることができる。これが我々のコアバリューだと思います。米国内の顧客に対するインパクトを見ながら、グローバルに展開していきました。

佐宗:そうしたプロセスには、これまでのキャリアが影響しているのでしょか。

マリオ:セールスフォースの前は、ヒューレット・パッカード(HP)で働いていました。HPでは、組織内のデザインUI(ユーザー・インターフェイス)戦略をたてていました。キャリアの最初は、デジタル体験にフォーカスしており、その後モバイルアプリケーションのデザインに移り、モバイル体験へとシフトしている企業に対してのコンサルティングを行うようになりました。

セールスフォース入社後は、まずモバイル向けのプロダクトデザインから入り、「ignite」チームに参加しました。そのため、私のバックグラウンドは、「戦略立案」と「ハンズオンで作ること」のミックスでした。これはまさに同プログラムが行っていることです。

「ignite」では、戦略を考えると同時に、素早くプロトタイプを作り、そして顧客が手を動かす自信を養っていく。我々は現在、クリエイティブかつ共創的に仕事をするため、顧客にデザイン思考のマインドセットを教えています。

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最終更新:5/1(月) 18:30
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