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更年期の大きな悩み、「不眠」の裏には何がある?

5/3(水) 12:02配信

OurAge

漢方薬剤師の樫出恒代さんによると、2000年以上前に書かれた「黄帝内経(こうていだいけい)」には、女性は7の倍数で年を重ねると記され、それは49歳までで終わっているという。曰く『7歳で歯が生え変わり、髪も伸びる。14歳で 初潮をむかえる。21歳で女性らしい身体つきになる。28歳で女性として身体も心もピークを迎える。35歳でシワ、くすみなどの衰えが見え始める。42歳で白髪、シミ、心身の不調も出てくる。49歳で 閉経し、肉体も衰える』。

「では私たち50代は?昔は50代以降や更年期の概念もなかったわけです」と樫出さん。

樫出さんは先日、深刻な面持ちで駆け込んできた大学時代の友人の診察をした。54歳の薬剤師、「全く眠れない」と言う。昼間も眠くならない、「眠い」ということがここ何年もない。睡眠薬を3種類くらい飲むと、朝5時までなんとか眠れる。趣味は洋裁で、プロ並みの腕前。ゆくゆくは、娘のウェディングドレスを作ってあげたいという夢もあるそうだ。

大事なことは、彼女がどうなりたいか、だ。すると「睡眠薬をまったく飲まずに眠れるようになりたい」と言った。

「ここが大事。本人の意志・思いなくしては、漢方も何も効かないのですから。その気持ちがあるなら大丈夫、と言いつつ血圧を測ったら、上が179下が128!眠れないという交感神経優位な状態がずっと続いているため、血圧も高くなり、血管も無理に拡張し、頭もぼーっとして、何をしても集中できず、楽しくない。時々頭痛もあったようです」(樫出さん)

あまりにも高い血圧の数字を見て、本人も「よく生きてたなぁ」と言ったそう。舌診と腹診もし、わかったことは、50代の半ばにきて、身体の中の“腎”のパワーが落ちつつあるということ。
「だから、ただでさえ、気うつや不安、不眠にもなりがち。その上、高血圧状態が続いて、いつも興奮状態になっているから“肝”の熱がこもり、抜けない、アンバランスになる。これも更年期の特徴です」

そしてもっと大事なのは、なぜ彼女は不眠になってしまったのか、ということだ。
「やはりストレスでした。仕事、夫や娘のこと、将来への不安、自分の体のこと」
話すことで、少し明るい表情になった彼女に、樫出さんは漢方薬を処方した。
「『1日3回、必ず飲んでね! お酒はしばらく控え、お風呂はゆっくり入ってね。睡眠薬は1種類にして、何を飲んでいるか私に教えて』と伝えました」

その後の彼女は、血圧は正常値になり、睡眠薬は1種類に減らせた。今まで「眠い」という感覚がなかったが、食後にうとうとと眠くなることがある。今年の春はすっきり過ごせ、新年度に感じるストレスか少なく、洋裁も楽しいとのこと。

その報告にほっとしたという樫出さん。まだ漢方薬は続けてもらいながら、カウンセリングをし、必要であれば、他の漢方薬に変えていく予定だという。

「閉経することでさまざまなダメージはありますが、好きなことを好きなようにできる身体と心でいたいですね。そのためにも、ときには漢方的なカウンセリングもぜひおすすめします」

今回処方した漢方薬
◆釣藤散(ちょうとうさん)…下の血圧を下げる効果が高く、イライラ、のぼせ、肩こり、不眠、頑固な人に。主薬は「釣藤鉤(ちょうとうこう)」。アカネ科のカギカズラのとげのところを乾燥させたもの。

◆黄連解毒湯(おうれんげどくとう)…熱が上に上がっている症状に。不眠、イライラ、高血圧、のぼせ、かゆみ、もやもや、ノイローゼに。配合生薬の4種類「黄ごん」「黄蓮」「黄柏(おうばく)」「山梔子(さんしし)」はすべて熱をさますもの。

※漢方薬については、漢方専門の医師や漢方薬剤師、漢方アドバイザーなどにご相談・カウンセリングの上服用すること。

最終更新:5/3(水) 12:02
OurAge