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ペプシCMの炎上、機に乗じて攻勢に転じるエージェンシー:社内エージェンシーは是か非か?

5/3(水) 8:10配信

DIGIDAY[日本版]

ピンチはチャンスにつながる。エージェンシーにとって、先日の的外れなペプシ(Pepsi)のCMをめぐる騒動は、まさにその良い機会となった。人気モデルのケンダル・ジェンナーが登場するこのペプシのCMは、彼らの脅威となりつつあるブランドの社内スタジオにて制作されたものだったからだ。

ちなみに物議を醸したペプシの不運なCMは、職場を放棄してデモ行進に加わるモデルとしてケンダル・ジェンナーが登場する内容。公開直後から大きな反発を招き、ネット上の強い怒りと批判を受けて、ついには放送中止になってしまった。このCMは的外れだと言う声は多く、さらに酷い言葉を投げつける者も少なくない。

だが、エージェンシーはここに希望の光を見いだしている。このCMは、ペプシ社内のブランドコンテンツ部門、クリエイターズ・リーグ・スタジオ(Creators League Studio)によって制作されたものだったからだ。エージェンシーは間髪を入れず、LinkedIn(リンクトイン)投稿からPRサービスまでもを利用して、自分たちが携わってさえいれば、この事態は回避できたと宣言している。

社内エージェンシーの危険性

トロントを拠点に活躍するフリーランスのコピーライター、スザンヌ・ポープ氏はブログで次のように述べている。「ペプシのしくじりは、社内エージェンシーの危険を示している。そう、仕事ができる人はいる。だが、とんでもない失敗をしそうだと指摘できる人はいない」。

マリオット(Marriott)やロレアル(L’Oreal)からベライゾンまで、より身軽に、より素早い対応ができ、コスト効率が向上するという理由で、社内にコンテンツ制作スタジオを設けるブランドが増えている。その結果、危機にさらされているエージェンシーの多くが、この機会を利用して力を取り戻そうと、RedditやLinkedIn、その他のフォーラムで即座にこの話題に飛びついたわけだ。クリエイティブエージェンシーにとってこの出来事は、YouTubeにおけるブランドセーフティの「危機」と同じだ。

ヒュージ(Huge)でグローバル・エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターを務めるジェイソン・ムサンテ氏は、この失敗は現実との接点を失った結果だと語る。同氏によると、ブランドは社内で強いブランドカルチャーを培うことに誇りを持っており、そうした強いブランドカルチャーは団結力の強い労働力を生み出すのに貢献する。だが、その一方で、現実の「バブル状態」を引き起こす結果にもなりうるという。従業員が世間における自社ブランドの価値を過信するため、ブランドの重要性についての過大な見方が現実世界の人の目に触れると、まったく異質なもののように写ってしまうことがあるのだ。ペプシのCMで引き起こされたのは、まさにこういう事態だった。

「当然のことだが、社内クリエイティブは、自社が陥っている現実のバブル状態に気付いていないことが多い。彼らは、世の中におけるブランドの価値、ブランドの目的を、我々全員が支持できる何かに変換することが自分たちの仕事だということを忘れてしまう危険を抱えている」と、ムサンテ氏は指摘する。

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