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レアル、万全のアトレティコ対策。良策だった4-4-2、ライン間で浮遊したイスコ【西部の4-4-2戦術アナライズ】

5/3(水) 11:31配信

フットボールチャンネル

 2日、UEFAチャンピオンズリーグ準決勝1stレグが行われ、レアル・マドリーがアトレティコ・マドリーを相手に3-0で勝利。この快勝劇の裏側には、堅守を誇るアトレティコに対する万全の対策があった。『サッカー 4-4-2戦術クロニクル 守備陣形の復興と進化』(カンゼン)を上梓した著者が、ジダン率いるチームの戦略を読み解く。(文:西部謙司)

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3ラインの間にイスコが浮遊。レアルが主導権を手に

 クリスティアーノ・ロナウドのハットトリックで完勝、レアル・マドリーが決勝進出へ大きな一歩を踏み出した。

 レアルとアトレティコ、両者は13-14と15-16のファイナルで対戦している。どちらもレアルが勝利しているが差は紙一重だった。どちらの試合もレアルはアトレティコにボールを持たせている。

 レアルは矛、アトレティコは盾のチームだが、レアルは互いの武器を強制的に交換することでマイナスの勝負に持ち込んだわけだ。今回は準決勝なので2試合ある。レアルがホームゲームで守備的に戦うとは考えられず、どう出るか注目された。

 ジネディーヌ・ジダン監督はイスコを起用する4-4-2を選択。アトレティコの4-4-2に対して、3ラインの間にイスコを浮遊させて主導権を握ろうという策だ。ガレス・ベイルの負傷欠場という事情があるとはいえ、むしろこのほうがアトレティコに対しては良策だったと思う。イスコ自身はさほど決定的な仕事はできなかったが、主導権を握ることはできていた。

 前半のスタッツでレアルのパス成功率は90%、トニ・クロースは最多43本のパスをつなぎ、パス成功率はなんと100%だった。後半もほぼノーミス。厳しくプレッシャーをかけ、できれば高い位置でボールを奪いたいアトレティコにとって、クロースの存在は何とも厄介だったに違いない。

 アトレティコは基本的にワンサイドからしか攻めない。奪われたときにプレスをかけやすいからだ。狭くなるので攻めにくいが突破できればゴール前は大きなチャンスになる。チャンスにならなくてもハイ・インテンシティの展開になればリズムは作れる。

 しかし、クロースのような選手がいるとサイドでの封じ込めができない。イスコ、ルカ・モドリッチも高いスキルを発揮し、アトレティコの封じ込み作戦を無効化していた。イスコ起用の効果は出ていた。

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