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ユーベ、絶対的な守備組織が抱える不安要素。モナコ相手にカギとなるコンパクトネス

5/3(水) 15:25配信

フットボールチャンネル

 ユベントスは現地時間3日、チャンピオンズリーグ(CL)準決勝1stレグでモナコと対戦する。準々決勝ではバルセロナ相手に2試合連続完封を演じ、鉄壁の守備を誇るユベントスだが、若い攻撃陣を誇るモナコ相手に不安要素も抱えていた。(取材・文:神尾光臣【モナコ】)

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●強敵をねじ伏せてきたモナコ。ユーベの主将ブッフォンも警戒

 準決勝まで勝ち上がったモナコには、入念に準備した相手を強引にねじ伏せる勢いと圧力があった。攻撃的なマンチェスター・シティやボルシア・ドルトムントにも堂々とぶつかり、スピーディーなサイドアタックを軸に得点を量産してきた。

 基本システムは4-4-2。左では突破力のあるトマ・レマルが縦にサイドを破り、右では逆足に配置されたベルナルド・シウバが多彩なプレーでチャンスを作る。両サイドバックも積極的に攻撃参加を果たし、あっという間に縦を破って前線にボールを送れば、フィニッシュに絡むのは個性の異なる2トップ。ボックス内でのポジショニングと反応に優れたラダメル・ファルカオと、卓越したスピードと判断の正確さを兼備する18歳、キリアン・ムバッペだ。

「彼らには活力があり、良い意味で恐れ知らずだ。そんな彼らがこういう試合でどれだけ気持ちを高めてくるのか、自分の若い頃を振り返ってみても想像がつく」

 モナコで行われた前日会見で、ユベントスの主将ジャンルイジ・ブッフォンは語った。攻守に緻密な試合運びでポルトとバルセロナを無失点で下した彼らが、相手の勢いをどう絶って試合をマネージメントするのかということが、ユベントス側から見た勝負のポイントとなるだろう。


●直近のリーグ戦では苦戦の末に引き分け…モナコ戦で教訓活かせるか

 その上で会見に同席していたマッシミリアーノ・アレグリ監督は、戦術上の注意事項を一つ挙げていた。

「アタランタ戦での前半を繰り返さないことだ。80メートルほどの距離感で試合を運んでしまい、とても苦戦してしまった。相手のプレーの性質を考えれば、同じことをすれば間違いなく苦戦する」

 28日に行われた、リーグ戦アタランタ戦でのことだ。堂々とEL出場権争いに喰い込んでいるダークホース相手に2-2。ユーベが現在の4-2-3-1のシステムで組織守備を固めてからは初めての出来事だった。特に前半は指揮官の言葉通り、非常に苦しい内容だった。

 オールコートでマンマークをつけ、プレッシャーを掛けて来るアタランタ相手に、球際で競り負ける。そのうちに全体は間延びし、持ち味のコンパクトなプレスが掛からないまま相手にボールを持たれる。するとそこに、システマチックな速攻を喰らうといった寸法だった。

「モナコも似ている。せめてこの教訓を準決勝で活かさなければ」と試合後にアッレグリ監督は反省していた。勢いに乗ってボールを狩りに来る相手に対し、中盤で走り勝ってボールをものに出来るかということが一つのポイントになる。

 その上で鍵となるのは、サミ・ケディラの出場停止で先発起用が濃厚なクラウディオ・マルキージオの出来。「フィジカルはケディラに分があるが、彼はそのぶん運動量に優れている」と指揮官は期待を掛けるが、持ち味の果敢なプレスと正確なパスの散らしで相手をいなせるかが勝負を大きく左右するだろう。

 そして奪ったボールを、素早くスペースに運べるか。攻撃的な両サイドバックを備えるチームの宿命ではあるが、モナコはやはりどうしてもこの裏が開く。センターバック2人も決して敏捷性に優れるタイプではなく、DFラインの前にもスペースはできやすい。前後左右に動いてバルセロナから2ゴールを奪ったパウロ・ディバラを軸に撹乱をしたいところだ。

●ユーベの不安要素…サイドハーフの上下動が勝敗のポイントに

 一方、この試合で気をつけなければならないのは、ボールを奪われた後のケアだ。攻守に渡ってサイドの連係がそれほど緻密ではなかったバルセロナとは違い、モナコはここに人数を掛けて展開も速い。ユーベのサイドの守備も非常に強固ではあるのだが、今回の試合においては若干の不安も否めない。

 確かに前のバルセロナ戦でダニエウ・アウベスはネイマールを封じ、アレックス・サンドロはリオネル・メッシにサイドのスペースを使わせなかった。

 だが問題は、1対1に勝てば良いというものではない。サイドハーフがボールを持てば、すぐさまサイドバックがフォローに走って来る。これを警戒し、サイドを固めるのはマリオ・マンジュキッチとファン・クアドラードの役目だが、勢いのあるモナコ相手に彼らの上下動は果たしてどれだけ続くのか。

 現在のユーベは決して層が厚いとは言えず、特にこの両者はほぼ出ずっぱりとなっている。アタランタ戦での“間延び”は、彼らの勢いの低下によるものと言えなくもなかった。この試合に向けて、フィジカル、メンタル両面でどれだけ回復ができているかも重要なポイントとなるだろう。

「180分をどう戦うか」。ブッフォンもアッレグリ監督も、そう口を揃えていた。勢いのある若いチーム相手に、経験を発揮して沈着冷静な戦いができるのか。さしあたって、熱狂に包まれるであろうスタッド・ルイ・ドゥのピッチで、ユーベは自分たちのペースにはめることができるだろうのか。

(文:神尾光臣【モナコ】)

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