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セガサミー・里見会長が着々と打つ、日本版カジノ開業への布石

5/3(水) 16:20配信

HARBOR BUSINESS Online

 4月20日、外国人専用カジノを含む統合型リゾート「パラダイスシティ」が韓国で開業した。韓国には現在17のカジノ施設があるが、統合型リゾートでのカジノ設置は初めてとなる。

「パラダイスシティ」は、セガサミーホールディングスと韓国のパラダイスグループの共同出資で設立した「PARADISE SEGASAMMY Co. Ltd.」がその運営を司る。

 開業式には、セガサミーホールディングスの里見治代表取締役CEOを始め、パラダイスグループの田必立(チョン・ピルリプ)会長、韓国・仁川広域市の劉正福(ユ・ジョンボク)市長、仁川国際空港公社の鄭日永(チョン・イリョン)社長、その他来賓、関係者約480名が参加した。

 開業式の冒頭、セガサミーの里見会長は、パラダイスシティの施設の完成度を自負しながら「世界中の皆様に、この類まれなる上質なエンタテインメント空間をご堪能いただきたい」と挨拶した。

◆IRは観光産業の起爆剤になるのか?

 パラダイスシティは、アジア最大のハブ空港である仁川国際空港から車で3分の立地。東アジアの主要都市から4時間以内にアクセス出来る。また2017年末には、空港第2ターミナルが完工。年間の受容能力は現在の5400万人から7200万人に拡大される。

 仁川広域市・劉市長は、同市における東アジア初のIRの開業は市民の誇りであり喜び、IRは雇用や地域経済、観光産業に大きく貢献するだろうとコメントし、仁川が空港都市として加熱するアジアの都市間競争を勝ち抜くと息巻いている。

 またパラダイスグループの田会長は、「パラダイスシティは、観光産業のパイオニアであるパラダイスグループだからこそできた挑戦。 東アジア初の統合型リゾートとしてパラダイスシティを通じ大韓民国の価値を高め、世界中の人々が楽しめる韓流の発信地を作っていく」としている。

 韓国のカジノ産業は好調だ。カジノ運営に携わる主要3社(パラダイスグループ、グランドコリアレジャー、カンウォンランド)の2016年(1月~12月)売上高は2940億円で前年対比7%増、外国人専用カジノを運営する2社では前年対比11%増となっている。

 今回の「パラダイスシティ」の完成だけではない。仁川空港周辺では、今後もカジノ施設の建設が予定されており、東アジアのカジノ市場が韓国を中心に活発化されるのは必至だ。

◆セガサミーが狙う、日本版カジノの運営

 セガサミーの里見会長はカジノ運営に関わる日本での展開について「セガサミーグループは、将来、統合型リゾート・エンターテイメント企業として、日本のIRにも参加したい」とし、まずは日本人が「パラダイスシティ」において、IRを体験し、楽しんで欲しいとした。その上で、セガサミーホールディングスに対する国内IRへの期待を持ってもらうことが大事だとした。

 また、同社・里見治紀社長も「日本のカジノ、IRに対する反発は、知識や経験の不足に起因する部分が大きい」とし、「日本では多くの企業がIR事業への関心を持つ一方で、カジノ運営からは距離を置きたがる傾向にある」と分析した。その上でセガサミーがしっかりとした経験と責任を併せ持つ運営母体として取り組んでいけるということをアピールした。

 国会では「IR実施法」に先立って、「ギャンブル等依存症対策法案」の議論が継続的に行われている。この国会で対策法案が通過すれば、次は「IR実施法」へと一気に加速する。

 政界への太いパイプも持つと言われる、セガサミーの里見会長。日本版カジノのスタートでは、実績のある海外の運営会社の参入が規定路線とされているが、今後の展開をも見越し、セガサミーは着々と布石を打ち続けている。

<文・安達 夕>

ハーバー・ビジネス・オンライン