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ランニングは仲間がいるとつられて頑張れるらしい

5/5(金) 11:10配信

ライフハッカー[日本版]

Popular Science:現在ランニングをしている人やランニングをしてみようとしたことがある人は、ランニングを始めた理由を思い起こしてみましょう。友人がやっていたから、という理由の人が案外たくさんいるはずです。『Nature Communications』誌に最近発表された研究は、走るという行為はグループ間や友人間で広がりやすいとしています。研究対象になったランナーたちは、世界中のランナーを代表しているわけではありませんが、この研究の根底にあるコンセプトは心理学や疫病学の分野でもアスリートやアスリートを目指す人にとっても、人間はある活動をするにあたり、どんなことからモチベーションを得たり影響を受けているのかを理解する助けになります。研究チームは毎日ランニングをする習慣のある110万人の会員をトラッキングしているエクササイズの会社から約5年間データを収集しました。さらに、こうしたランナーの習慣に関する情報は、アプリを使ったソーシャルネットワーク内でランニングの習慣について仲間内で交換している情報からも収集しました。社会的影響との因果関係の有無を確認したかったからです。別の言い方をすれば、ランナーAとランナーBが友人でお互いのランニングの習慣を交換しあっているとしたら、ユーザーAの行動はユーザーBに影響を与えるのでしょうか。

この疑問の解答を得るために、研究チームは一種の自然実験として天気を使いました。つまりこういうことです。ランニングアプリを使っている友人が2人いて、お互いのランニングの習慣をチェックしあっているとします。片方はシカゴに、もう片方はボストンに住んでいます。シカゴで雨が降ると、その日はそこに住んでいる方はランニングができません。それがボストンに住む方のランニングに影響を及ぼすでしょうか。

「数百万人のユーザー間で交わされた数千のやり取りに関して同種の分析をした結果、研究チームは社会的な影響とランニングの間には因果関係があると報告しています。」と同研究筆者のChristos Nicolaides氏は言います。同氏はマサチューセッツ工科大学スローン経営大学院の博士研究員です。ボストンのランナーが好天に恵まれて普段以上に走る気になると、シカゴの方も、特に走りたいほどの好天ではなくてもランニングに出る確率が高くなります。男性の方が影響を受けやすく、男女両方の仲間から影響を受けやすいのに対して、女性は他の女性がランニングに励んでいるときだけプレッシャーを感じる傾向があります。そして、興味深いのは、この影響力は、普段あまり活動的でない友人が頑張っているときにもっとも強くなったことです。言い換えれば、ボストンのランナーがシカゴにいる友人より普段のランニング量が少ない方が、シカゴのランナーはプレッシャーを強く感じるのです。

こうした差異は、心理学者のLeon Festinger氏が打ち出した「人間は自分と他人を比較することで自分を評価している」という社会的比較論に基づいて説明できるかもしれないとNicolaides氏は言います。エクササイズに関しては、アスリート仲間がたくさんいて、さらに頑張るように、もっと向上するようにモチベーションを与えてくれているのかもしれません。同時に、怠け者の仲間がいると、自分の優位性を保とうとしてやる気が出て、競争心が高まります。Nicolaides氏いわく、「我々の研究結果から、どちらもあり得るのですが、自分より優れている人と比較したときは、効果がぐっと低くなります。」

他人のエクササイズの仕方にこのような直接的で予測可能な影響を与えられるというコンセプトは、もっと一般的なエクササイズや健康プログラムにも影響を与えられるということになります。しかし、この研究1つでは、まだ大胆な結論は出せません。まず、この研究は、自分の走行距離をトラッキングするアプリや同じアプリを使用しているランナー仲間と交信するためのアプリを使用している市民ランナーが対象で、大変狭い範囲の人たちに限られています。この研究1つが出した結果は、すべてのランナーやフィットネスにはまっている人たち、ひいては全人類にまで当てはめられるほど幅広いものではありません。

ここでとりあげたのと同じ行動傾向が別のグループのランナーやランニングをしていない人たちにも認められるかどうか確認するにはさらなる研究が必要です。しかし、当面のところ、ランニングを再開しようとしていたり、初めて挑戦してみようかなと思っているなら、ランニング仲間を持つのは悪くない考えだと言っても大丈夫でしょう。

Running might be kind of contagious | Popular Science

Claire Maldarelli(訳:春野ユリ)
Photo by Shutterstock.

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