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きみはボクシングが得意なフレンズなんだね!『けもフレ』入場曲で話題 “オタクボクサー”井上浩樹のオタク度がすごーい!

5/5(金) 21:01配信

おたぽる

――実は各ジャンルに結構いるらしい“とある道のプロだけど、ガチなオタク”。どうしてそこまで好きになってしまったのか。その経緯、そしてその愛と魅力について存分に語ってもらいつつ、その趣味が本業や生活にどんな影響を与えているのか。“一芸に秀でる者は多芸に通ず”は本当なのか? そこんところを探ります。

 3月27日、後楽園ホールに鳴り響いた『けものフレンズ』OP主題歌「ようこそジャパリパークへ!」!

 これまでの6戦で『ラブライブ!』の楽曲を入場曲として使用してきたことで、一部スポーツ新聞やTVなどでも、アニメ好きな“オタクボクサー”として取り上げられるようになった井上浩樹選手。

 プロ7戦目にして入場曲を変更したわけだが、ちょうど最終回の放送を直前に控えていたタイミングとあってか、『けものフレンズ』大好きなフレンズたちの間で話題になったり、Twitter(@krmr_511)での普段のつぶやきを見ても、ガチで“こっち寄り”っぽい。

 しかし、この井上選手はただのオタクではない。従兄弟には、スーパーフライ級王者の井上尚弥選手、東洋太平洋スーパーフライ級王者の井上拓真選手がいるというボクシング一家に育ち、高校~大学にかけてアマチュアボクシングでは国体などをはじめ計5冠を獲得。プロ転向後も、27日の試合を含めて7戦7勝・6KO、日本スーパーライト級8位につける期待の若手ボクサーなのだ。

 アニメやゲームとは縁遠そうな一家に生まれたのに、なぜそこまで好きになってしまったのか? そしてストイックなイメージが強いプロボクシングの選手は、どんな距離感を持ってアニメやゲームを楽しんでいるのか。名門・大橋ボクシングジムを訪ね、お話を聞いてきました!

■きっかけは『エウレカセブン』『けいおん!』。いつしか深夜アニメにどっぷりと

―― 取材を受ける機会も多いと思いますが、井上浩樹選手のオタクな一面について聞くようなインタビューはありましたか?

井上浩樹(以下、井上) オタクであることは知られていると思いますがど、どんなアニメが好きかとか、細かく聞かれたことはないですね。

―― それはよかったです(笑)。ではさっそく、自分がオタクだと自覚し始めるキッカケの作品から教えてください。

井上 最初は兄と一緒にやっていたゲーム『テイルズ』(バンダイナムコエンターテインメント)シリーズですね。そのころは全然オタっぽいと感じることはなかったんですけど。

―― 『テイルズ』は非オタクの人でもファンが多い人気RPGですものね。

井上 でも、やる頻度が普通の人と比べて多いのかなって思ったりはしていました。というのも、小さいころから『テイルズ』シリーズをプレイし続けてきて、ひとつの作品で20周とかやり込んでいたので。当時は普通かなと思っていたんですけど、大人になっていくにつれて、「異常だったのかな?」って。

―― ちなみに『テイルズ』はどの作品をプレイしていましたか?

井上 僕がプレイしていたのは、プレイステーションの『テイルズ オブ デスティニー』(1997年)。次に『テイルズ オブ エターニア』(00年)に激ハマりしました。

―― アニメやマンガ作品ではどうですか?

井上 アニメを見始めたのは、『交響詩篇エウレカセブン』(05年)が最初ですね。

―― 『交響詩篇エウレカセブン』といえば、先日の劇場3部作の制作発表の時、Twitterでアツくツイートしていましたね。

井上 見られていましたか(笑)。多分『エウレカセブン』がしっかり見始めた最初のアニメです。『ドラえもん』『メダロット』といったキッズアニメも、他の人より見ていたと思うんですけど、アニメ好きだっていう自覚はなくて。でも『エウレカセブン』から毎週欠かさず見るようになって、「オタクなのでは」と自覚し始めましたね。

―― その次にハマった作品というと?

井上 『けいおん!』(09~10年)シリーズですね、僕が高校1年生の時ぐらいで、当時の友だちと一緒に見ていました。それまで友だちとアニメを見ることがなかったので新鮮でしたね。それまでは、ゲームやアニメについて友だちと話をすることはなかったんですけど、『けいおん!』あたりから「あのキャラ、可愛いよな」という話をしたり……。

―― 『エウレカセブン』とまた毛色が変わった作品になりますが、どういうところが好きだったんですか?

井上 『けいおん!』はただキャラクターがかわいい、というところから入って。僕はりっちゃん(田井中律)推しなんですけど、かわいいというのと、頑張っている姿を見て励まされて。

―― りっちゃん好きっていう時点で、当時からアニメ玄人になりそうな片鱗があったんだなと思います(笑)。

井上 周りは(平沢)唯推しばっかだったんですけど、僕は俄然りっちゃんでしたね。

―― 田井中さんは、実は一番周囲に気を使える子でしたからね。

井上 そうですね。“ぐう聖”でした。それからは、『とある魔術の禁書目録』や『とある科学の超電磁砲』シリーズも観るようになって、いつしか毎晩やっている深夜アニメを録画するようになったという感じです。

■毎クールの新作は30本はチェック! 冬クールの完走は10本ぐらい

―― この調子で好きなアニメを聞いているとインタビューが終わらなそうなので、最近のアニメの中からお気に入りを教えていただけますか?

井上 1月クールだと、やっぱり『けものフレンズ』。『けもフレ』は1話目から観ていました、1話目の時から「これはヤバイぞ」と思って。で、いろんな人に観せるうちに、自分は1話を10回くらいいろんな人と一緒に観るっていう。

―― 1話目で『けものフレンズ』が「来るぞ」と予見できたのはすごいです。1クールで観る作品は平均何本くらいですか?

井上 基本、そのクールのアニメ一覧表を見て、その中でキャストさんだとか、制作スタッフさんとか、アニメの基本情報を見て、だいたい30本くらいは見るようにしています。とりあえず1話をまず録画して、ば~っと見て、その中で気になった作品を残していく形にしていますね。

―― ちなみに前クールで完走したアニメは?

井上 10本くらいですね、『けものフレンズ』、『ガヴリールドロップアウト』、『小林さんちのメイドラゴン』、『BanG Dream!』、『うらら迷路帖』、『この素晴らしい世界に祝福を!2』、『CHAOS;CHILD』、あと『にゃんこデイズ』は5分アニメなんですけど、めちゃめちゃ好きで。あとなんか忘れている気がする……。

―― 『亜人ちゃんは語りたい』ですかね?

井上 『亜人ちゃん』だ! 『亜人ちゃん』もめちゃめちゃよかったですね。

―― またサキュバスの佐藤先生がエロくて。

井上 そうですね。佐藤先生がよかったです(笑)。

――  “女の子がかわいい”作品が多いですが、中身もちゃんとした作品が見たいんだという意思を感じるチョイスだなと。

井上 そうかもしれません。でも、日常系が一番の好物なんです。最近だと『きんいろモザイク』なんかも好きですね。

―― 4月クールはいかがですか?

井上 『エロマンガ先生』を見て、めちゃくちゃ作画がキレイだなって思って。これは来るかもしれないっていう感じでしたね。あとは『サクラクエスト』と『サクラダリセット』も気になっているところです。

―― 『エロマンガ先生』といえば『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の伏見つかさ原作ですが、『俺妹』も実は見ていたとか?

井上 見ていました、見ていました! 僕は黒猫派ですね。

―― やはり押さえているんですね! ちなみに『ラブライブ!』ファンであることも有名ですが、一番好きな作品は、となったらどの作品になりますか?

井上 本当に大好きなのはやっぱり『エウレカセブン』と『花咲くいろは』(11年)ですね。

―― 『花咲くいろは』はP.A.WORKSさん作品ですが、『SHIROBAKO』ではなく『いろは』なんですね。

井上 『いろは』ですね。P.A.WORKS作品はほとんど好きなんですけど、その中では特に『いろは』。あと『ギルティクラウン』(11年)、まあまあ最近だと『境界の彼方』(13年)など、京都アニメーション作品も好きです。

―― ゲームはどうですか? 『BanG Dream! ガールズバンドパーティ!(ガルパ)』と『モンスターハンター』にハマっている感じですが。

井上 『モンハン』は、試合が終わってから、やっと『モンスターハンターダブルクロス』買って。たぶん試合前に買っちゃうと寝れなくなるので、試合が終わってから買いました。その予想どおり、試合が終わってから全然寝てなくて。あと最近だと……たぶん『モンスターストライク』を一番やっていますね。

■「従兄弟たちからは『一緒に入場したくない』って(笑)」

―― 入場曲に『ラブライブ!』、先日の試合では『けものフレンズ』の主題歌を使用されましたが、周囲の反応はいかがでしたか?

井上 苦言などはないと思うんですけど、従兄弟たちからは「一緒に入場したくない」って(笑)。

―― しかし、抜群のタイミングでしたね。

井上 『けものフレンズ』の最終話の放送が、試合の次の日でしたからね。入場曲を『けものフレンズ』にしたのも応援のつもりでした、少しでも多くの方に『けものフレンズ』を知ってもらいたいなと思って。あとは「かばんちゃん頑張れ!」と(笑)。

―― そんな意味が込められていたんですね。Twitterを見ると、大橋会長(秀行/元WBA、WBC世界ミニマム級王者)が『ラブライブ!』を『ラブドライブ』と間違われていたそうで(笑)。

井上 ああ、入場曲を『けものフレンズ』にするって言った時に、「え~『ラブドライブ』も良かったのになあ」って言われて。さすがに訂正できなかったですね(笑)。

―― 次の入場曲にしたいアニソンはありますか?

井上 基本『ラブライブ!』で行こうと思っています。変えていくとラブライバーの人になんか言われるのかなっていうのもあるんですけど。この間の『けもフレ』の時は最終回の放送直前だったので、タイミング的にって感じで選曲したんですけど、基本は『ラブライブ!』。でも最近は『BanG Dream!』も気になっているんですけど。

―― ゲームもやっていますものね(笑)。さて、そんな井上選手はボクシング一家として知られています。ボクシングへの目覚めと、オタクへの目覚めはどちらが先でしたか?

井上 それはやっぱりボクシングが先ですね。ボクシングは小学3年生からやっていましたし。オタクであることについては、最近周りに言い出した感じです。

―― 高校、大学でもアマチュアボクシングで活躍されましたが、ボクシング部内にもオタク仲間はいたんですか?

井上 これが、まったくいなくて。自分が入部してから、無理やりボクシング部の同期や後輩に布教していました。練習が終わったら部室でアニソンをひたすら流すというのをずっとやっていました(笑)。

 当時ハマっていたのが『僕は友達が少ない』。小鳩ちゃんとマリアのキャラソン(「ぶいえす!!らいばる!!」)を一日中流してたりもしましたが、その効果で周りが『はがない』を見るようになりました。すると練習後に、「あ、今日●●の日だ」みたいな声が後輩から聞こえてくるようになって、「よしよし」みたいな(笑)。

『はがない』もめちゃくちゃ好きで、僕の中で結構上位に来る作品です。あれは最初から見なくても、どの話を見ても面白い。本当にいい作品だなって(しみじみ)。

■「前回の合宿は熱海だったんですが、TOKYO MXが映らなかったんですよ!」(怒)

―― プロボクサーといえば朝早く起きてロードワーク、というようなイメージがあるんですけど、深夜アニメやゲームはいつ楽しんでいるんですか?

井上 深夜アニメはだいたい録画して、空いている時間に一気に観る感じです。でも、あまりにも好きな作品だったら、リアルタイムで見たいなって。今期だと『ひなこのーと』が自分的にはビビッと来たので、この間リアルタイムまで起きて見ましたね。リアタイの優越感というか、それに浸って寝るっていう感じです。

―― 加えて減量が大変なイメージがありますが、いかがですか? 井上選手は身長も同階級の中では高いほうですし。

井上 減量はきつくないことはないですけど……いや、やっぱり……きついですね。でも試合前になると、疲労を抜くために練習量も減らしますし、(減量で)身体とかもだるくなってくるので出歩くことも少なくなりますから、逆にアニメを見れる時間は増えます。

―― また、『ラブライブ!』の東京ドーム公演など、イベントにも参加されていますよね。どれくらいの頻度で参加しているのでしょうか?

井上 チケットが当たらないこともあるので何とも言えないですが、ライブは年に5回くらい行けるかどうかくらいです。やっぱりμ's中心に参加していますが、先日は大橋彩香さんのライブに行ったり。気になる声優さんのライブだったらとりあえず応募、みたいな感じです。

―― Twitterでは徳井青空さん好きだとありますが、ほかに好きな声優さんはいますか?

井上 『探偵オペラミルキィホームズ』『ラブライブ!』と、徳井さんが出ている作品はだいたい見ていますが、昔から好きだったのは『いろは』などに出演している伊藤かな恵さんですね。でも東京近郊でライブが開催されるってなったら行きたいと思える声優さんは20、30人位いると思います。

―― 井上選手とTwitterといえば、アニメファンともよく交流されています。

井上 返せる範囲では結構リプを返しています。そういう同じ趣味を持つ人から声援をもらえると、かなり力になるので。さっきもTwitterでちょうどコメントが来たのでそれに返したりしていて。こういうオタク話をしている時が一番楽しいなあって……。ボクシングの話題のツイートも週1回はしようとは思っているんですけど。

―― 本当にオタクなんだなぁと感じています。連勝中ですし、ボクシングファンからの期待も高いですが、そういう重圧をアニメで緩和している感じでしょうか?

井上 多分、緩和出来ていると思いますね。リラックスするという点においては、アニメを見るということを活用できていると思いますね。良い気分転換になっています。

―― オンオフのスイッチはどうやって切り替えているんでしょう。

井上 そんなに自覚はしていないんですけど、とりあえず少しでも空いている時間があれば、そこでアニメを見るっていうだけです。練習が休みの日にそういうイベントが重なっていればイベントに行く、みたいな。やることはやってその間に出来るオタク活動をやっているっていうだけですね。

―― だらだらゲームをやったり、というのは避けると。

井上 なるべく、そうですね。試合の何日か前に行きたいイベントがあっても、そういう時は泣く泣く我慢します。この間も3月27日の試合直前に「AnimeJapan 2017」(3月23~26日)があって、どうしても行きたかったんですけど……。

―― 試合前に人混みの中に行って、風邪でももらったら大変ですもんね。

井上 そうなんです。だから、そういうときの「クソッ」っていう気持ちを、試合にぶつけています。

―― 試合前の追い込みの合宿とかがあると、オタク的に大変なんですかね?

井上 ヤバイですね。それは一番ヤバイですね。許せないですね、本当に。あの時期が本当に……もう、発狂しそうになりますね。

―― だいたい海や山で走り込んだりするわけですよね?

井上 そうですね。前回の合宿は熱海だったんですが、TOKYO MXが映らなかったんですよ! 合宿中にアニメを見ようと結構遅くまで起きていたんですけど、映らないじゃんって。怒りをぶつける相手もいないですし、ストレスがたまる一方でした。

―― 『ラブライブ!』の東京ドーム公演は本当に行けるタイミングでよかったですね。

井上 ちょうど、昨年の3月28日に試合、4月1日にライブでした。あれは良かったですね、本当に。ヤバかったですね……僕すぐ泣くんですよ。本当に泣き虫で。アニメ見てても、ライブ見ててもそうなんですけど、『ラブライブ!』の時はもう号泣しっぱなしで。

―― 女の子が頑張っているシーンに弱いんですかね。

井上 弱いかもしれないです。この間びっくりしたのが、『四月は君の嘘』(14~15年)のエンディング曲をカラオケで歌っていた時に、歌いながらラストサビのところで泣いていて。いろんなシーンを思い出しちゃって泣いて歌えなくて、演奏中止みたいな(笑)。

―― 映像を見ながらならわかりますけど、歌っただけで泣いちゃうとは……。

井上 歌って思い出しちゃって泣きましたから、流石に周りに引かれましたね。ドン引きでした。でも泣くと体重減るんですよ。泣くと身体から汗も出てきて、なんとなく減っているんですよね。そういうのもひそかに周りに布教しようかと(笑)。

―― 減量もバッチリと(笑)。では最後にボクシングファンと、アニメファンに一言お願いします。

井上 ボクシングファンに対しては、難しいな……。すぐに世界チャンピオンっていうのは言えないんですけど、段階を踏んで徐々にステップアップして、最終的には世界チャンピオンになろうと思っているので、応援よろしくお願いいたします。同士であるオタクのみなさんには、μ'sがラブライブで優勝したように、僕も頑張って世界チャンピオンになるので、同じように応援してもらえたらうれしいなって感じです。
(撮影=松沢雅彦、構成=編集部)

【試合情報】
■『THE BOXING SHOW』
6月25日(日)町田市立総合体育館
http://kandw-boxing.com/2017/04/24/2933(「K&Wボクシングジム」サイト内)

最終更新:5/5(金) 21:01
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