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安倍“一強”政権は2021年まで続くのか?

5/6(土) 7:00配信

文春オンライン

 長期にわたって安定した政権運営を続ける安倍政権。民進党の存在感も薄く、対抗勢力が出てこない中で「安倍一強体制」はこのまま強くなる一方なのか。その“強み”を探っていくと国民の期待感を離さない様々な手法が浮かび上がってきた。一方で、弱点、死角も見えてくる。皮肉にも、最大の“強み”が“弱み”に転化する可能性があることも事実だった。
(出典:文藝春秋オピニオン 2017年の論点100)

安倍政権の“強み”とは

 政権発足からすでに約4年が経過している安倍政権だが、依然として内閣支持率は発足当時からほとんど低下しないという奇跡のような“高値安定”状態を維持している。戦後の歴代政権と比較しても、これほど長期にわたって安定した政権運営を継続している例は極めて珍しいといえるだろう。2016年夏の参院選挙の大勝を含め、国政選挙3連勝(政権を奪還した総選挙も加えると4連勝)というのもおそらく初めてのこと。

 では、なぜこれほど安定し、高い支持率を維持し続けるほど強力な政権となり得ているのか。その、いわば“強み”を探ることで、今後の政権の課題、目指している目標、さらには強みと裏表の関係にある弱点、あるいは死角が見えてくるのではないか。

 安倍政権の強みはまず、国民の中に強い安定志向が存在していることだ。小泉政権以降の6年間は政治の混迷状態が続いた。これに辟易(へきえき)した多くの国民が安倍政権に「安定」を求めたのではないか。これと関連して、安倍政権にとって結果的に大きなプラス材料となっているのが「民主党政権のトラウマ」とその結果としての「受け皿」の不在である。

「政治が変わる」という大きな期待感の中で誕生した民主党政権だったが、結果的にはリーダー選びのミス、稚拙な政権運営、内部分裂などが重なり、期待感の何倍もの失望感のなかで崩壊した。民主党は維新の党などと合流し、民進党に衣替えしたが、多くの国民は「民進党イコール民主党」のイメージを抱いており、その結果として、未だに民主党政権に対するある種の「トラウマ」を抱えたままの状態にある。

 民主党政権時代の呪縛から抜け出せない中、民進党は政権批判の「受け皿」として認知されるに至っていない。同時に、安倍政権に対して、多少の不平、不満、疑念を覚えたとしても、「あの民主党政権よりはマシ」と考えることで、国民が「反政権」に傾く流れが食い止められているのではないか。安倍政権の高支持率は、前民主党政権の失敗によって支えられているともいえるだろう。

 だがそれ以上に、安倍政権の最大の強みは「期待感醸成・維持能力」にある。この政権は国民に期待感を抱かせ、なおかつそれを維持する能力が極めて高い。その“武器”となっているのがスローガンでありキャッチフレーズだ。言葉を変えれば「広報・宣伝戦術」の巧みさといってもいい。安倍政権は内閣改造のたびに新たな看板政策、目玉閣僚を繰り出してきた。まず掲げたのが「地方創生」、次に「女性活躍」、さらに「一億総活躍」、そして「働き方改革」……。具体的な実績が上がらず、看板が色あせるや、新たな看板に差し替えて、再び期待感を上昇させるという手法である。その象徴が「アベノミクス」だろう。

 ここにきて、限界が見え始めたアベノミクスだが、これまでこの言葉には常にセットでプラスイメージが張り付いていた。効果の実感はないが、いずれは自分も……、という期待感を大多数の国民が抱いてきた。無論、一部にはアベノミクスの恩恵を享受している層が存在することは事実。だが、各種の世論調査を見ると、70~80%の人が「アベノミクスを実感していない」という数字が一貫して続いている。にもかかわらず、多くの国民はまだ、アベノミクスに対する期待感を捨て切れていない。逆にいえば常に「経済最優先」を掲げるなど、安倍政権は様々な手法を駆使して期待感を繋ぎとめているとみてもいい。

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最終更新:5/8(月) 18:36
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