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酒井高徳が語るブンデス残留争い。名門キャプテンとしての重責と試練

5/7(日) 17:01配信

webスポルティーバ

 先週末のブンデスリーガ第31節、アウクスブルク対ハンブルガーSV戦は、残留を争う直接対決だった。試合はアウクスブルクが4-0と大勝。ハンブルガーはこれで3連敗となった。

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 ハンブルガーのキャプテン、酒井高徳は、珍しくなんのコメントも残さずにスタジアムを後にした。目深にキャップをかぶり、うつむき気味に、「今日はコメントなしで」とでも言いたげに右手を低い位置で少し振った。

 これでハンブルガーの順位は入れ替えプレーオフ出場の16位に落ちた。試合後、電車で会ったハンブルガーサポーターは、「今日の出来事はフェイクだよ。あれは現実じゃなかったんだ」と、真面目な顔で話していた。

 勝ち点33で足踏みを続けるハンブルガー。下を見れば17位インゴルシュタットは勝ち点29、最下位ダルムシュタットは勝ち点24。ただし一方で上は14位マインツ、15位ヴォルフスブルクも同じ勝ち点33で、12位レバークーゼン(勝ち点36)あたりまではかなり間隔が詰まっている。

 このところ毎シーズン残留争いに巻き込まれながらも生き残ってきたハンブルガーだが、今季はそんなはずではなかった。

 確かに序盤はいつもどおり苦しんでいた。すると11月のW杯予選後、マルクス・ギズドル監督は、いわばカンフル剤的に酒井を主将に抜擢した。しかも公式サイトなどで大々的に発表まで行なった。

 その効果は抜群だった。第11節、アウェーのホッフェンハイム戦でようやく今季3度目の勝ち点を獲得。その次の試合も引き分け。直後に2連勝。4戦負けなしだった。結果を出しながら、徐々に自分たちのスタイルを見出していった。堅守速攻。とはいえ洗練されているわけではなく、それぞれがハードワークをすることで泥臭く勝利をものにする。後半戦は、ライプツィヒ、フランクフルト、ヘルタ・ベルリン、ケルンといった上位勢にも勝利を収めている。

 第27節でドルトムントに敗れたが、続く第28節ではそのドルトムントと3位争いをするホッフェンハイムに勝ち切った。その時点で13位。チームは自らのスタイルがあるという大きな自信に加え、残留も見えてきた。しかし、そこからまさかの3連敗。酒井が口を閉ざすのも無理はなかった。

 週が明け、練習場をたずねてみると、酒井はいつもの様子だった。最後まで練習を行なうと、用具の片付けを手伝い、サポーターに気さくに対応をする。サポーターたちはドイツ語の発音で「ザカイ」ではなく、「カピテーン(キャプテン)」と話しかけていた。

 いつもの笑顔を見せる酒井に、先日のノーコメントについて、率直に切り出してみた。

「伝えることがないというわけでなく、反省しようもない試合だったというか。しゃべっても言葉に詰まるし、とりあえずあの瞬間はドイツ人記者にも話さなかったですけど、ひとりにしてほしかったというのがあって。わかってもらうのはちょっと難しいところがあると思いますけど、選手にも話したくないときがある」

 返答も率直だった。

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