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気持ちがバラバラ攻と守。崩壊寸前のアルビレックスに打つ手はあるか

5/7(日) 17:40配信

webスポルティーバ

 悪くない。

 それが今季開幕当初、アルビレックス新潟から受けた印象だった。

■Jリーグ今季の順位予想はどうだったか?

 粘り強い守備にはまとまりが出てきており、攻撃にもチームとしての狙いが見える。だからこそ、結果は出ていないながらも内容は悪くないと感じた。

 だが、シーズンが進み、J1も第10節を終えた現在、新潟から受ける印象は明らかに悪化している。

 新潟はJ1第10節で、川崎フロンターレとアウェーで対戦し、0-3の完敗を喫した。1勝7敗2分けの勝ち点5は、J2降格圏に沈む17位である。

 新潟はここまでの10試合で総得点7、総失点19。第5節以降の6試合のうち、実に4試合で3失点している。得点が少ないことにはひとまず目をつぶるとしても、これだけ失点がかさんでは、わずかな勝機を見出すのも難しい。

 この川崎戦もまた、勢いに乗れない新潟の悪い流れを象徴するかのような試合展開だった。

 立ち上がり、試合の主導権を握っていたのは、新潟だったと言っていい。

 川崎はJ1では最近4試合勝利がなく(1敗3分け)、この試合でも武器であるパスワークにスムーズさを欠いていた。ひとりひとりがパスコースを探してボールを持つ時間が長く、ノッキングを繰り返す。そんなギクシャクした攻撃に対し、新潟はうまくボールを奪い、カウンターにつなげることができていた。

 今季初先発のFW鈴木武蔵が語る。

「監督から、立ち上がり10分は前から(ボールを奪いに)いくと言われていた。(流れがよかったので)イケると思った」

 新潟は、28分に右サイドバックのDF矢野貴章が足を痛めて交代するアクシデントに見舞われた。それでも、交代で入ったDF川口尚紀が出場直後から立て続けに攻撃に加わった。

 40分にはドリブルで攻め込んだ川口からのパスをフリーで受けたMFチアゴ・ガリャルドが、ゴール右スミにシュートを放った。これは川崎のGKチョン・ソンリョンにセーブされるも、試合は新潟ペースで進んでいるかに思われた。

 ところが、「試合の入りは悪くなかった。今日はイケるかなと思ったが、流れがよかっただけにイケイケになってしまって......」と川口が悔やむように、惜しいシュートの直後に起きたプレーで、新潟の淡い期待は無残に打ち砕かれてしまう。

 川崎にゴールキックからのボールを、間延びしてぽっかりと空いた中盤でつながれ、最後はMF阿部浩之からFWハイネルへのスルーパス。これをハイネルに難なく決められ、新潟は先制を許した。

 一瞬のスキを突かれただけの、ある意味でやむを得ないようにも見える失点。だが、この失点には伏線があった。

 新潟はなかなか勝ち点を積み重ねられない状況のなかで、チーム内には戦い方の考えにギャップが生じるようになっていた。すなわち、高い位置でボールを奪って効率よくカウンターにつなげたい前線と、まずは無理せず後ろで守りを整えたいDFラインとの差異である。三浦文丈監督が語る。

「試合の入りは集中してくれたが、徐々に前線は高い位置で奪いたい、後ろは少しコントロールしたい、ということで間延びしたなかで、私自身が(チームとしての戦い方の)ベクトルを合わせられなかった」

 鈴木が「意思疎通(を図ること)で防げた失点。解決策が曖昧だった」と語ったように、間延びして生まれた中盤のスペースを使われての失点は、以前から抱えていた懸念材料が露呈してのものだった。

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