ここから本文です

まるで猫VS象!? 近代兵器の見本市『ワイルド・スピード ICE BREAK』

5/8(月) 21:00配信

おたぽる

 武器で見る映画第12回は、こちら!『ワイルド・スピード ICE BREAK』(原題:Fast & Furious 8 2017)です。F・ゲイリー・グレイ監督、ヴィン・ディーゼル主演、超がつくほど有名な作品の8作目。注目はどんな車が出るのかってところですが、僕はそれ以上にどんな武器がでてくるのかという見方をさせていただきました。

アサシンブレードは存在しなかった? 『アサシンクリード』で学ぶ“武器と暗殺の歴史”

 どんどん紹介していきましょう。物語は「EMP爆弾」を奪取する作戦から始まります。「EMP爆弾」とは、決して架空の兵器ではありません。日本語にすると「電磁波爆弾」で、Electromagnetic pulse bomb、略してEMPなんですけど、電磁パルス兵器なんて日本語英語混ざった言い方で紹介されたりもします。なんせ実在の最新兵器です。強力な電磁波を発生させて、電子機器を使用不可にする兵器です。高高度核爆発(高層大気圏での核爆発)が起こると、同じ現象が起きます。このEMP爆弾の強奪がこの後の事件に大きく関わってきます。

 今回は『ワイルド・スピード』なので、車に特化して、車載された兵器群を紹介していきましょう。まず、最初に出た車載兵器は、ロシアの国防大臣を護衛する車の上から出てくる「M134 ミニガン」。これはアメリカのゼネラル・エレクトリック社製で、同社の「M61A1 バルカン」の小型版ということでミニガンなんですが、その破壊力は驚異的。アサルトライフル用の7.62×51mmNATO弾を最大1秒間100発撃てる連射力を持ち、建造物すら破壊するってアメリカの兵士がインタビューで答えていた記憶があります。生身の人間が被弾すれば、「痛い!」と思う前に死んでいる、ということから、“ペインレスガン”“無痛ガン”とも呼ばれています。まさに北斗神拳のような武器です。

 次は、『アイスブレイク』らしく、氷上で使用された武器を紹介します。ロシアの反体制派が車で主人公たちファミリーを追う時、撃ってくるのがソビエト連邦製対空重機関銃「DShK38重機関銃」です。「デシーカ」「デュシーカ」などと呼ばれています。アメリカ人からは“ダッシュK”と恐れられ、比較的古いものなのですが、いまだ多くの国々で現役です。このデシーカの使用弾丸は12.7×108mm弾丸になります。

 「デュシーカ」に対抗して、登場するのが、ベルギーのファブリケ・ナショナル・デルスタル・ド・ゲール社(以下、FN社)の重機関銃「GAU-21」。世界一番有名な重機関銃「ブローニングM2」をFN社が改造したもので、映画内では銃身が改造されていて、先が4つに分かれているのです。この改造によって、冷却がより素早くできるようになっています。

 そして、最後の方に出てくる今回の目玉兵器! これは予告でも、ポスターでも大々的に登場してますが、原子力潜水艦です。最強の兵器は何か? これよく武器とか兵器とか好きな人が集まると話になるんですよ。そこで名前が必ずと言っていいほど挙がるのが、イージス艦と、原子力潜水艦なんです。原子力潜水艦は原子炉を動力とする潜水艦で、保有している国も少なく、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の国連常任理事国と、インドの計6カ国のみです。

 今作に登場するのは、潜水艦発射弾道ミサイルを搭載した弾道ミサイル原子力潜水艦です。核兵器の運用法としては、主に大陸間弾道ミサイルか潜水艦による潜水艦発射の2種類です。まさに最強の攻撃兵器の名を冠してもおかしくないわけですね。イージス艦は対潜水艦能力が高いため一騎打ちになれば、軍配が上がるだろうことは予想できます。そして、核ミサイルが発射されたとしても最近、北朝鮮問題で話題のSM-3ブロックA2などの迎撃ミサイルで防ぐことができるかもしれない。そういう意味では、最強の防衛兵器でしょう。今作ではそんな攻撃力最強兵器の原子力潜水艦に主人公ファミリーたちが、自動車、それも軍用車とかではなく、市販されてる車の改造車で立ち向かいます! 猫が象に勝てるか!? みたいな話です。

 あともう一つ、これだけ話させてください。車載武器でもなく、大してアピールポイントにもなっていないのですが、ライオットシールドが出てくるんです。警察の機動隊なんかが持っている盾です。武器かどうか議論の余地はありますが、広義では盾は武器です。防衛武器、日本でも通販で手に入る武器です。元々はジュラルミン製で、浅間山荘事件で、貫通力の低い銃でも貫通されています。近年では、改良が加えられ、視認性の確保のため、プラスチック製の透明なもの、ライフル弾でも貫通させない金属とカーボンを使用した軍用のバリスティックシールドなどがあります。ただ、重さと防御力が比例していくため、安全を重視すれば、必然的に重くなるのが悩みの種ではあります。そんなライオットシールドがどう活躍するか楽しみにしてください。

 ワイルド・スピードシリーズ最新作、『ワイルド・スピード ICE BREAK』は非常に面白い作品になっております。実は僕は、武器や兵器のみならず、車も大好き。恋愛や家族愛、友情も描かれた素晴らしいエンターテインメント作品となっております。最高傑作ではないでしょうか。劇場でぜひご覧ください!
(文=二木知宏[スクラップロゴス]

最終更新:5/8(月) 21:00
おたぽる