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文氏を急追する保守派候補:韓国大統領選挙 --- 高 永チョル

5/8(月) 17:01配信

アゴラ

トランプ米大統領は昨年の大統領選で、97%のマスコミから足を引っ引っ張られたが見事に当選した。
ヒラリー・クリントン氏はなぜ落選したのか。オールドメディアよりニューメディアのSNSがインパクトを発揮し選挙を左右する時代に変わったわけだ。

現在、韓国の大統領選挙戦では親北左派の文在寅候補(共に民主党)がヒラリー氏のように常にトップを走っている。しかし、支持率は40%前後で停滞しており、投票結果が意外な方向に転ぶ可能性はなくはない。

当初、文候補の対抗馬と見られた中道左派の安哲秀候補(国民の党)は選挙戦に入って尻すぼみとなる反面、保守派の洪準杓候補(自由韓国党)が着実に支持率を伸ばし、2日までに安候補を抜いたとの調査もある。保守派の洪氏は湖南地域(韓半島西南部)で支持率は低いが、文、安両候補の支持層で湖南地域が二分されれば有利になる。洪候補は貧しい家庭に育ち逆境を克服して夢を叶えた人物だ。特に、慶尚南道知事の時に大胆な緊縮財政を推進して全国で初めて赤字財政を清算すると同時に、清廉度1位の自治体にした能力が評価されている。

一方、文候補の対北包容路線が保守層から非難される理由は、歴代の親北大統領が多額の対北支援金を上納した結果、北朝鮮の核・弾道ミサイルが現実的な脅威となったことへの危機感だ。従って、親北路線候補に対する国民の支持には限界があり、沈黙する多数の国民の判断が選挙結果を左右するだろうと言われている。

ネット時代の現在、中間層や貧困層が持つ財閥・特権層に対する不満を煽って政権争奪を企てる“政治屋”のトリックを国民は見抜いている。韓国の左派は世界の優等生である大韓民国を常に酷評するが、彼らが享受する自由と豊かさは朴大統領が主導した経済発展の恩恵だ。かつての世界最貧国が衣食に困らなくなった時期から民主化運動が本格化したことを考えると、朴大統領の開発独裁が韓国の産業化と民主化のきっかけになったわけである。

米国戦略国際問題研究所(CSIS)のビクター・チャ韓国部長は、米上院軍事委聴聞会で「次期韓国政府は太陽政策を再開する理念的な余裕(ideological indulgence)がない」と指摘した。保守右派であれ親北左派であれ次期大統領が直面する最大の国家的な課題は北朝鮮の核脅威であり、それから逃れることはできないのだ。

(拓殖大学客員研究員・韓国統一振興院専任教授,元国防省北韓分析官)

高 永チョル

最終更新:5/8(月) 17:01
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