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急拡大する「糖質制限」市場が日本を救う! 

東洋経済オンライン 5/8(月) 8:00配信

ご飯やパン、めん類など糖質の摂取を控える「糖質制限食」が大ブームとなっている。「糖質ゼロ」や「糖質オフ」をうたう飲料・食品が相次いで登場。外食チェーンも続々と低糖質メニューを打ち出すなど、「糖質制限」市場ともいうべき巨大マーケットが形成されている。
現在3000億円以上とされる「糖質制限」市場だが、糖質制限食の創始者である江部康二医師によると、今後さらに急成長することが見込まれるという。そして、医療費削減効果などとも相まって、日本経済の救世主となる可能性すらあると江部氏は指摘する。
長年、糖質制限食品・メニュー開発の指導・監修にもあたり、このたび『江部康二の糖質制限革命』を上梓した江部氏に、急拡大する糖質制限市場の展望を聞いた。

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■続々と出される「糖質制限」向けの食品・メニュー

 糖質制限食の普及に伴って、「糖質オフ」「糖質ゼロ」「低糖質」などをうたい文句にした商品が、小売店の棚に数え切れないほど並んでいます。

 NHK「クローズアップ現代プラス」(2016年7月20日放映)によると、2015年の「糖質オフ・ゼロ市場」は3184億円に達しているそうです。調査会社の富士経済の調べでは、2016年の同市場の規模は前年比7.7%増の3431億円の見込みと(『日経ビジネス』2016年11月7日号)、急拡大しています。

 外食産業などにも新しい動きが見られます。

 大手ファミリーレストランのガストでは糖質制限メニューを出しました。牛丼チェーン各社も、すき家が「牛丼ライト」を出すなど、糖質制限メニューを続々とメニューに加えています。いきなり! ステーキの急成長が注目を集めていますが、この背景にも糖質制限ブームがあるといわれています。

 そのほかの外食チェーンでも、糖質制限に配慮したメニューが続々と出されており、こうした流れは今後も続くでしょう。

「糖質制限市場はもっと大きくなるよ」

 コンビニエンスストアでも、ローソンが早くから糖質制限食に積極的な対応をしてきました。同社では糖質制限のパン(ブランパン)を出していて、売り上げが好調なようです。ファミリーマートでも、ライザップとコラボした低糖質商品が続々と投入されています。

 さらに、食品産業も新しい商品の開発に乗り出しています。たとえば、練り物やおでんだねのメーカーとして有名な紀文では「糖質ゼロ麺」を出しました。これは、小麦粉で作られている通常の麺類の代用となる糖質制限用の食品です。

 また、大手ビールメーカーでは、アサヒビールが「スタイルフリー」を発売して以来、どこもこぞって糖質ゼロの発泡酒を出しており、すでに定番となっています。

 こうした流れは、調味料や食材などにも波及しています。砂糖に代わる甘味料として注目を集める糖質ゼロの天然由来甘味料「ラカントS」(サラヤ)は、5年間(2012~2016年)で売り上げが5割増になったそうです。

 このほか、小麦粉に代わる大豆粉の開発なども、さまざまなメーカーで進んでいます。

 以上のような食品や外食の業界における糖質制限食への対応は、まだほんの序の口といったところです。

 これからの日本では、糖質制限への利便性を考えなければ、食品や外食の業界は成り立たないところまで行くでしょう。

 経済界でも糖質制限は注目を集めているようで、『日経ビジネス』(2016年11月7日号)が「糖質制限パニック」という大特集を組んでいました。

 そのなかで、自身も糖質制限を実践する伊藤忠商事の岡藤正広社長は、「みんなも糖質に気を配るようになったら、糖質が大量に含まれる商品は、当たり前のように売れなくなる。その代わり、糖質制限向けの食品やサービスの需要が高まっていく。だから糖質制限のマーケットは、これからもっと大きくなるよ。本気で対応していかないかんと思うよ」とおっしゃっていました。

 もし、糖質制限食を一時のブームだと思っている業界の関係者がおられるのなら、早く認識を改めたほうがよいのではないでしょうか。

■糖質制限メニュー・商品を開発する際の注意点

 最近では、うれしいことに街のレストランなどで糖質制限食のメニューを用意してくれるところが増えています。

 そうした糖質制限メニューをよりよくするために、2つ、ご提案があります。これは、糖質制限商品の開発についても共通して言えることです。

 1つ目は、なるべく糖質量の表示をしてほしいということです。

 糖質制限食は、糖質の量によって効果も目的も変わってきます。糖質量に合わせてメニューを選べるようにしてもらうと、お客さんとしては便利なわけです。できれば、糖質制限食としての基準となる糖質量をお客さんの側に示し、そのうえで、お店のメニューの糖質量も書いてあれば、さらに親切だと思います。

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最終更新:5/8(月) 8:00

東洋経済オンライン