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ステディな彼との同棲を決めたのに。忘れられない男と密会してしまった、女の衝動

5/8(月) 5:20配信

東京カレンダー

それもまた1つのLOVE。

愛してるとは違うけど、愛していないとも言えない。

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あなたの身にも、覚えはないだろうか?

奈々は、高校時代に淡い恋心を抱いていた翔平と渋谷で再会する。しかし彼の隣には、巷で名の知れた美女・美玲の姿が。

翌日、美玲のインスタグラムに投稿された写真からふたりがただの友達ではないことを知った奈々は、ステディな彼・優一がいるにも関わらず小さな嫉妬心を抱く。

関係のないことだ、と言い聞かせる奈々。しかしその夜思いがけず翔平からLINEが届く。

満足している、はずだった。

優一の家で迎える週末は穏やかで、平凡だ。

校了明けの身体が重い。起き上がることができず、奈々は優一のぬくもりが残るベッドから、キッチンに向かう彼の背中を静かに眺めている。

しばらくして漂ってくるコーヒーの香りは心地よく、しかし少々深みに欠ける。

優一は、こだわりのない男だ。「インスタントコーヒーで俺は満足」だと言い、わざわざ豆を挽くことなどもちろん、ドリップすらしない。

奈々も、彼の淹れるインスタントコーヒーに不満はない。むしろ彼の、そういう気取らないところが好きだ。

満足している、はずだった。

「奈々、最近よく家に来るよね」

どうぞ、とロンハーマンのペアマグを手渡しながら、優一が嬉しそうに言う。

「そう、かな」

咄嗟に視線を逸らしたが、それは真実だ。

1か月前、翔平と再会したあの日から、奈々はひとりになることを避けていた。

再会した翌日に届いたLINE 以降、翔平から音沙汰はない。しかしひとりになるとつい、彼からの連絡を待ってしまう。昔、始まらなかった恋が動き出すかもしれない…なんて、バカな期待をしてしまう。

―現実を見よう…もう、いい大人なんだから。

そう言い聞かせてコーヒーを流し込む奈々を、隣に座った優一が抱き寄せる。それから彼は、一瞬で目が覚める言葉を、言うのだった。

「一緒に暮らさないか。奈々が良ければ…結婚前提で」

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