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「世界観」なき若者へ 書を捨てよ、旅へ出よう【前編】

5/9(火) 6:00配信

オトナンサー

 若者の海外旅行離れが止まりません。日本人の海外旅行者が1000万人を超えたのは1990年で、2000年には2000万人に達すると期待されていました。しかし、その後の円高傾向や、景気悪化に伴う消費の抑制などから、伸び悩んでいるのが現状です。

 法務省の出国管理統計によると、最近20年間で日本人の出国ピークは2012年の1849万人で、ここ数年は1600万人から1700万人台の間で推移しています。一方、日本政府観光局統計によると、2016年の訪日外国人観光客数は2400万人台に達しました。特に「爆買いツアー」を目的とした中国人観光客は、それまで全体の約3割を占めていた韓国人を抜いて、630万人でトップに立っています。

 訪日外国人が着実に増えている一方、日本人の海外旅行者数の伸びが鈍いのは、20代の若者が、海外に出ないことが影響しているという指摘があります。

「近場で『1泊プチ旅行』なんて情けない」

 JTB総合研究所のデータによると、20代の海外旅行者が最も多かったのは1996年の460万人でした。ところが、2015年には250万人と著しく減少しています。男性が約100万人、女性が約150万人と、若者の海外旅行は「男低女高」傾向にあるようです。

 もちろん、若者人口全体の減少や不景気、雇用不安などにより、20代の可処分所得に余裕がないなど、海外旅行者数だけでは、「若者の意識が内向きになっている」とは言い切れないさまざまな要因があります。

 ただ、海外旅行者の主軸である40~50代の中高年層が微増しています。これは「若い頃の海外旅行体験」が下地になっていることは否めないでしょう。つまり、若い頃の経験則が経済的・時間的問題だけでなく、海外に行こうという心理的抵抗感のハードルを下げているというわけです。

 だから、余計に中高年層は「若い時の旅は借金してでもしろ。近場の温泉で『1泊プチ旅行』だけで満足なんて情けない」的な説教を若者にしたがります。じゃあ、「借金してまで若い時に海外へ行くメリットってなんだ」と若者に問われれば、「自分の世界観が広がるからだ」的な答えしかできません。若者にしてみれば、「世界観? はあ?」といった感じではないでしょうか。

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最終更新:5/9(火) 6:00
オトナンサー

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