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鉄壁ユーベに付け入る隙は? 2点先行の状況。モナコ相手に懸念材料があるとすれば…

5/9(火) 12:49配信

フットボールチャンネル

 現地時間9日、UEFAチャンピオンズリーグ準決勝2ndでモナコをホームに迎えるユベントス。アウェイで行われた1stレグで2-0と快勝し、決勝進出に向けて盤石とも思える状況だ。まさに鉄壁と言えるイタリア王者の守備力だが、付け入る隙があるとすればそれは何なのだろうか。(取材・文:神尾光臣)

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●あまりに大きい2点リード。1stレグで築かれた数字以上のマージン

 1stレグでユベントスは優位に立った。アウェイで相手にゴールを許さず、2点を奪ったというアドバンテージは大きい。モナコが90分間で逆転の決勝進出を狙うには、この2ndレグで3ゴール差をつけなければならず、延長戦に持ち込むにしても失点を許さずに2点を奪わなければならないわけだ。

 ただ果たしてそれが、守備の堅いユーベに対して可能なのか。1stレグではジャンルイジ・ブッフォンのファインセーブに少なくとも2度助けられたシーンは確かにあった。だが、14本あったモナコのシュートのほとんどは、組織守備でコースを切られた末に打たされたものだ。攻撃でもユーベはあっさり敵の弱点を突いた。

 選手個々の力量と経験値、またチームとしての完成度を見せつけたという意味でも、1stレグで築いたマージンは点差以上に大きいものがあったと言える。「ユーベは我われのストロングポイントを全てブロックした。明日結果を出したいと思うなら何かを変えなければならない。さもなくば1stレグの繰り返しになる」。8日の記者会見で、モナコのレオナルド・ジャルディム監督は語った。

 しかし、ユーベのマッシミリアーノ・アッレグリ監督は警戒する。「サッカーの試合中には、何が起こるかわからない。相手には若いタレントが揃っているし、集中力を高めて臨まなければならない」。ユーベが足をすくわれるとしたらどういうところか。そこをモナコに付け入られる可能性はあるのか。2ndレグの焦点は、そこにある。

●リーグ戦では主力を温存。疲労の心配は少なく

 さてユーベだが、リーグ戦では2戦連続のドローを喫してしまった。6日は、モナコ戦の1stレグから中2日でトリノとダービーマッチをやるというハードな日程。そして1-1に終わり、リーグ戦では実に33試合連続となっていたユベントス・スタジアムでの連勝記録がストップしてしまった。

 しかもトリノは、かなり微妙な判定により退場者を出している。温存していたゴンサロ・イグアインを途中出場させ、彼のゴールでやっとドローに持ち込んだ試合で、内容を見ればユーベが負ける可能性も十分に高かった試合だ。

 しかしこれは、コンディション面の不安を意味するものではない。むしろ逆だ。アッレグリ監督は、1stレグのスタメンから実に8人を入れ替えてトリノに挑んでいたからだ。

 左サイドで献身的な上下動を務めるマリオ・マンジュキッチは先発させたが、本職のセンターフォワードに戻して守備のタスクを軽減させている。2stレグをにらみ、選手のコンディショニングをきっちりと測っていた様子が窺い知れる。この状態で、激しいトリノダービーをむしろ良くドローでまとめられたものだ。

 ともかく、ユーベの主力が疲れを残して2ndレグに臨む、ということはなさそうである。だが、若い選手を揃えて勢いのあるモナコから完全に逃げ切るということはできるのだろうか。その意味においては、1stレグでも若干の不安を覗かせていた。

●バルザーリかクアドラードか。先発選手に現れる試合へのアプローチ

 同試合の後半で、ユーベはモナコに多くのシュートを打たれていた。もちろん2点リードして引き気味になればそれも当たり前のことで、攻められてもゴール前を冷静に固めてチャンスをつくらせなかったから、十分想定の上で試合をコントロールしていたとも言える。

 だがカウンターのチャンスでミスをし、前線でボールをキープできずにモナコに奪われ、さらに攻撃を喰らうというシーンも決して少なくはなかった。

 もし仮に、ユーベが終盤で不正確なつなぎによってボールを失い、モナコの攻撃の流れを切れないようだと、間違いが起こる可能性も出てくる。モナコ陣営が狙っているのはそこだ。前日会見でジャルディム監督は「理想は前半で1-0とすること。そして後半に賭ける」とゲームプランの一端を披露していた。

 前線にはキリアン・ムバッペがいる。スペースが消されて得意の裏抜けを抑えられ、「スペースのないところでのプレーがもう少し上手くなってくれないと」とジャルディム監督からも苦言を呈されていた。しかし、味方が強引に放ったクロスに反応して、2度のビッグチャンスを作ったのは他ならぬ彼だ。

 ユベントスにとっては、相手を調子づかせないためのゲームコントロールが90分を通してできるかどうかが鍵だ。1stレグでは相手の攻撃をスローダウンさせる組織守備が効いたが、その決行は引き続き重要。その上で、相手の勢いを断ち切るためのカウンターもより効果的に実行させたい。

 この意味において、選手起用や交代策もより重要なものになりそうだ。アッレグリ監督は「(アンドレア・)バルザーリか(ファン・)クアドラードかどちらを先発にするか迷っている」と会見で語っていた。つまり、2アシストと大活躍したダニエウ・アウベスを引き続きサイドハーフとしてやらせるか、それともバルセロナ戦2ndレグでドリブル突破から流れを切ったクアドラードにするかという選択を意味するものだ。どういうアプローチで試合に臨むのかは、この選択に現れると言えそうだ。

(取材・文:神尾光臣)

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