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40年にわたり朴槿恵前大統領の心を支配した崔親子とは?『朴槿恵 心を操られた大統領』著者インタビュー【前編】

5/9(火) 6:30配信

ダ・ヴィンチニュース

 5月9日、韓国の次期大統領を決める選挙が行われ、即日開票される。次期大統領に一番近いと目される文在寅氏は地元の釜山などで熱狂的な歓迎を受けたが、対抗馬の安哲秀氏の追い上げもあり、開票終了まで目が離せない展開になっている。

 その賑やかさとは一転、朴槿恵前大統領は起訴されソウル中央地検の取り調べを受けている最中だ。「選挙の女王」と呼ばれたかつての大統領は現在、一連の「崔順実ゲート事件」(民間人による国政介入事件)による収賄などの罪で収監されている。朴槿恵と、彼女の背後にいたと言われる崔順実はどんな人物で、どんな関係だったのだろう?

『朴槿恵 心を操られた大統領』(文藝春秋)著者の金香清さんによると、韓国では2人は「友人」ではなく「秘線」と報じられていたそうだ。それもなんと40年以上、父親の朴正煕元大統領が生きていた頃から「秘密の線」は存在していて、朴正煕暗殺の原因の一つにもなったという。

「私も今回調べて初めて知りましたが、とても驚きました。1974年に母親の陸英修(ユク・ヨンス)が亡くなり朴槿恵はファーストレディ代行になるのですが、その頃、崔順実の父の崔太敏(チェ・テミン)が朴槿恵に、『お母さまが私の夢に現れた』と書いた手紙を出したそうです。しかし崔太敏は1973年頃には既に、朴槿恵の周辺にいました。彼女が朴正煕の政治的資産を受け継ぐと考え、そのために計画的に近づいたでしょう。彼は朴槿恵を広告塔に宗教団体を創立しますが、横領や詐欺など3億2000万ウォン(約3200万円)もの不正を働きます。朴正煕の腹心だったKCIA(大韓民国中央情報部)部長の金載圭(キム・ジェギュ)は不正を知り朴正煕に伝えましたが、彼は取り合いませんでした。その失望感も朴正煕暗殺の動機になったと、金載圭が裁判で提出した控訴理由補充書に書かれていたそうです」

韓国ではまだ、朴正煕が生きている?

 執筆や韓国語翻訳をつとめる金香清さんは昨年11月頃、ニュース番組の翻訳をしている友人に「朴槿恵と崔順実の関係について調べているけれど、わからないことがいくつもある」と相談され、リサーチの仕事を請け負うことになり、この事件が日本でも大きな関心が持たれていることを実感したそうだ。

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