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【 明日公開! 】 オスカーも注目した、1人の男の絶望と再生を優しく描いたヒューマンドラマ

5/12(金) 20:40配信

MEN’S+

映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』

 おそらく誰もが人生において、1度や2度…いやそれ以上、挫折など辛い経験をしたことがあるはずです。そして、それらのことは時を重ねてきた今となっても、決して口にしたくないことも多いかもしれませんね。本作の主人公リー(ケイシー・アフレック)も、ある辛い過去によって無気力になってしまった人間の1人なのです。そして彼はゆっくりと、現実に対し少しずつ向き合っていくのです。

 兄を亡くしてしまうだけでも、とても心苦しいことでしょう。リーは兄ジョー(カイル・チャンドラー)の遺言状を読み始めたところ、まさかの人生が待っていたのです。それは、ジョーの息子パトリック(ルーカス・ヘッジズ)の後見人に指名されてしまうのです。そして、困惑するリー。 
 
 自分の暮らしだけで精一杯の彼は、果たしてパトリックに愛情を注ぐことはできるのでしょうか?

 人見知りが激しいリーと、社交的で常に前向きな甥パトリック。同じ屋根の下に住みながらも、お互いに最初は口数が少なく、リーはどのようにパトリックに接するべきか悩みます。 
 
 次第にパトリックの生活スタイルが判明し、あらゆる出来事に少しばかり衝撃を受けるのでした…。そしてある日、元妻ランディ(ミシェル・ウィリアムズ)と再会してしまったリーは、交わす言葉がなかったのでした。一体この2人に、何があったのか?

これぞ、アメリカのリアルな生活!

本作は辛い過去をもった男の再生や、男の友情をメインテーマにしているのですが、実はアメリカの現在社会を描いた作品なのです。 
 
 たとえば、便利屋として働くリーは低賃金で毎日の生活が苦しく、着用している洋服もシンプルなものが多い。雇用が安定している都心部の生活ばかりが報道されていますが、地方に住む国民の多くはリーと同じような苦しい生活を続けているアメリカという国。マンチェスター・バイ・ザ・シー(アメリカ・ボストンの北東、マサチューセッツ州の海岸部の街の名前を意味します)で過ごす人々の行動や生活を覗くことによって、リアルなアメリカを共感できるはずです。

 注目ポイントは、オスカー主演男優賞に輝いたケイシー・アフレックの静かな演技です。歩いていたり、佇むときはどこか寂しげに下を向き、周りとの距離を詰めることができない役柄を、細かい役作りと演技によって見事に演じきっているのです。リーとパトリックが展開する、どうしようもない日常会話にはクスクスと自然と笑みがこぼれることでしょう。

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最終更新:5/12(金) 20:40
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