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リバプール、CL返り咲きなるか。熾烈極める3、4位争いは三つ巴の大混戦に

5/12(金) 11:10配信

フットボールチャンネル

 16/17シーズンも佳境を迎え、優勝争いとともにCL出場権争いが白熱している欧州サッカー界。イングランド・プレミアリーグも3位・4位争いが大きな注目を集めている。ヨーロッパの舞台でも上位進出が期待されるチームによる争いは極めて熾烈。そのなかでユルゲン・クロップ監督に率いられるリバプールは、2年ぶりにCL出場権を確保できるだろうか。(取材・文:Kozo Matsuzawa / 松澤浩三【イングランド】)

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●マンUはELに主眼を移行。事実上三つ巴の争いに

 例年同様、熾烈になっているプレミアリーグ(PL)の4位争い。つまりは翌シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)への出場権をかけたバトルだが、それもついに佳境に入ってきた。

 現時点では36試合消化して勝ち点70のリバプールと、同35試合で勝ち点69のマンチェスター・シティの両クラブがともに3位と4位につけていて、有利な状況にある。

 とはいえ、前節のクリスタル・パレス戦後にマンCのペップ・グアルディオラ監督が「トップレベルの4チームがCL出場権の残り2枠をかけて競っている。最終節まで激しい戦いは続くだろう」と話したとおり、上位2チームも油断できないのは確かだ。

 この言葉を裏付けるように、5月10日には、試合前に6位だったアーセナルがサウサンプトンを2-0で破り、勝ち点を66まで伸ばすことに成功。マンチェスター・ユナイテッドを抜いて5位に順位を上げている。

 だがそのマンUはすでに、優勝すればCL出場権獲得となるヨーロッパリーグ(EL)に主眼を移行している。7日に宿敵アーセナル戦に負けた際、ジョゼ・モウリーニョ監督は「アーセナルファンが喜んでくれてハッピーだ」と余裕の笑顔を見せ、試合よりもけが人が出なかった事実に安堵の表情を浮かべていた。

 よって、実際にはリバプール、マンC、アーセナルの3チームが2つの枠を争う三つ巴の状況である。しかし前者の2クラブは、ともに残り試合をすべて勝利すれば出場権獲得が決定する。優位にあるのは間違いないのだが、何が起こるかが分からないのが昨今のPLである。シーズン閉幕を目前にして、波乱が起きるのではないかと勘ぐってしまう。

 例えば、2年ぶりにCLの舞台への返り咲きを目指すリバプールが残すのは、敵地でのウェストハム戦とアンフィールドでのミドルズブラ戦の2試合である。順当にいけば、勝って当然の2カードと見ていいだろう。ただし、今季のリバプールは、チェルシーとトットナム以外のリーグ内のほかの上位チーム同様に不安定な戦いぶりを続けている。

●リバプール地元紙には楽観的ともとれる特集記事も

 先月23日、ホームでのクリスタル・パレス戦で痛恨の黒星を喫したかと思えば、次節のワトフォード戦では辛勝して勝ち点3をもぎ取ることに成功した。しかし7日に行われたサウサンプトンとの一戦はまるでいいところなく0-0のドローで終了し、なかなかライバルたちを引き離すことができないのだ。

 そんな予断を許さない状況にもかかわらず、地元紙のリバプール・エコーは11日の電子版にて「リバプールがCLに戻った際に再会できる選手たち」と題した特集を組んでいる。

 バルセロナのルイス・スアレスやハビエル・マスケラーノを筆頭に、フェイエノールに所属するディルク・カイトやブラッド・ジョーンズ、コロ・トゥーレ(セルティック)、セバスチャン・コアテス(スポルティング・リスボン)、さらにはレンタルで半年しかいなかったヌリ・サヒン(ドルトムント)やマリオ・バロテッリ(ニース)まで、以前クラブでプレーしていて現在は欧州の他クラブに所属している、来季CL出場の可能性が高い選手たちを紹介したのである。

 あたかも、すでにCLへの出場権を獲得したかのような記事に違和感を覚えたのは筆者だけではないはずだ。さらに、次節対戦するウェストハムは近年、この名門クラブにめっぽう強い。2014/15シーズンからのFA杯を含んだ7試合で4勝2分1敗、昨季はリーグ戦でダブルを達成するなど、ハマーズに分がある。

 実際のリバプールサポーターたちはどう感じているのだろう。レッズファンである友人2人に電話取材をしてみた。すると一人は「デンジャラスな状況だ」と答えた一方、もう一人は「絶対に来季はCLに出場している」と信じて疑わない様子だった。

●プレッシャーを楽しみ、勝負弱さを克服できるか

 エコー紙はまた、同じく11日の電子版に、クラブのレジェンドであるヤン・モルビーとのインタビューを掲載している。モルビーは「ユルゲン・クロップ監督は、最初の3ヶ月間で選手たちのフィットネスレベルを大幅に向上させて魅力的なフットボールをすることに成功した。しかしそれは、シーズンというマラソンのスタートをスプリントで走ったようなものだった。それが仇となっていて、CL出場権を逃す可能性も十分にある」と分析。

 そして「今はエラーが一つも許されない状況。CL出場のためには2連勝するしかない」と付け加えた。今季はジョーダン・ヘンダーソンやアダム・ララーナの怪我もあり、主力として起用されているルーカス・レイバもモルビーと同意見で、「残り2試合はカップ戦のファイナルのようなものだ。勝てばCLの舞台に立てる、単純なことだ」と語っている。

 そう、すべては自分たち次第である。1日のワトフォード戦後、ユルゲン・クロップ監督はCL出場権獲得をかけた戦いについて、次のように話している。

「プレッシャーはある。だがシーズン終了間際でこういうプレッシャーはいいものだ。何かに向けて戦っていることを意味するからね。戦っているということは、自分たちは良いポジションにいることでもある。私はこのようなプレッシャーが大好きだ」

 2013-14シーズンのリーグ戦終盤や、昨季のEL決勝でも目の当たりにしたが、近年のリバプールにはここ一番での急ブレーキが顕著だ。果たして、選手たちは指揮官のようにプレッシャーを楽しみ、勝負弱さを克服できるのか。14日のウェストハム戦は、その第一関門となる。

(取材・文:Kozo Matsuzawa / 松澤浩三【イングランド】)

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