ここから本文です

8キロ増で鎧のような胸板。吉田麻也がプレミア仕様の体になっていた

5/13(土) 11:40配信

webスポルティーバ

 雲ひとつない晴天のアンフィールド。リバプールサポーターの歌う『You'll Never Walk Alone』がスタジアムにこだまするなか、両軍の選手たちが姿を現した。

【写真】苦境にあえぐチームを救う男

 試合前の挨拶のために22名の選手が一列に並ぶと、欧州出身の選手たちと比べても、サウサンプトンの吉田麻也がまったく遜色ない身体つきになっていることに気がついた。

 鎧(よろい)のような胸板、肩、そして足腰──。もちろん189cmの身長は変わっていないが、センターバック(CB)としては細身の印象もあった2012年の入団時から、身体が完全に「プレミア仕様」に仕上がっていると感じたのである。

 キックオフのホイッスルが鳴ると、リーグ戦17試合連続の先発出場となったその吉田が、堂々たる守備でリバプールの攻撃を跳ね返していく。

 リバプールのFWロベルト・フィルミーノのシュートに対し、日本代表DFはコースに入ってブロック。虚を突いたMFルーカス・レイヴァのスルーパスには一度、体勢を崩しそうになったが、それでも素速く足を伸ばしてカットする。敵のロングボール時に太陽の光が目に入ったようで動きを一瞬止めた場面も、慌てることなくクリアした。

 動きは軽快そのもので、ひとつひとつの守備が力強い。状況判断は冷静沈着で、周囲の動きもよく見えていた。筆者が取材してきた5シーズンのなかでも、この試合の吉田は最高部類と呼べるパフォーマンスを示し、0-0のスコアレスドローに大きく貢献した。しかも、相手はリーグ2位の得点力を誇るリバプール。「クリーンシート(無失点試合)を達成し、またひとつ積み上げたというのは、僕にとっても、ディフェンス陣にとっても大きい」と、試合後の吉田も胸を張っていた。

 そこで、気になっていた質問をぶつけてみた。「入団時から継続して身体を鍛えてきたのか?」と。吉田は次のように明かした。

「試合に出られない期間が長かったので、その時期に筋トレをしていました。イングランドは居残り練習があまりできないので。『筋トレしながらも、アジリティ(敏捷性)の部分を落とさないように』っていうトレーニングを、2~3年続けていました。入団時に比べて、体重は7~8キロ増えました。

 欧州の選手に比べると、アジア人はもともとの筋肉量が少ないんです。たとえば、彼らが同じセット量、同じ期間で筋トレをやったら、軽くボーンと数値が上がるのに対し、自分はポッと小さく上がるぐらい。だから、人より何倍もやらないといけない。

 試合に出られない時期は、すごく筋トレをやっていました。それでも、やっぱり全然(差がある)。重さ自体は他の選手よりも持てるんだけど、同じ重さを持てる他の選手のほうが身体は数倍デカイという......。やっぱり、アジア人はそういうハンデがあります。食事やプロテインとか、あとは量、質にも気をつけていました。去年の今ごろは試合に全然出られなかったので、筋トレしまくっていた。練習場から自宅に帰るとき、(クルマを)運転していてハンドルを持つのもしんどいぐらいでしたから(笑)。

 あとは、プレミアリーグへの“慣れ“も大きい。身体の使い方とか、どういう風に当たればいいのか。どういうプレーがファウルになって、どういうのがファウルにならないのか。そういうのは勉強になっています」

 その3日後に行なわれたアーセナル戦でも、吉田は堅牢な守備でチームを支えていた。岡崎慎司のフィジカルコーチを務める杉本龍勇氏(法政大学教授)の指導を受けながら、アジリティを落とさずに鍛えてきた成果も見えた。

1/2ページ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Sportiva

集英社

Sportivaムック
4月13日発売

定価 本体1,472円+税

フィギュア特集
『羽生結弦 平昌への道』
■ヘルシンキの激闘
■宇野昌磨、本田真凜ほか