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文在寅政権の親北路線に壁 --- 高 永チョル

5/13(土) 8:01配信

アゴラ

今回、野党「共に民主党」の文在寅候補が政権交代を実現した背景には、大型客船「セウォル号」の犠牲者に対する「弔い選挙」、また元秘書室長の時、自殺した盧武鉉元大統領の「弔い選挙」を演出し扇動した側面があった。

セウォル号事件は修学旅行する高校生たちの海難事故に過ぎないが、それを通して格差社会に対する中間層と庶民層の不満を煽り、就職難に不満を抱える若者たちも巻き込んだ。さらに、支持率を上げるために国民の反日感情を煽りながら、日韓慰安婦合意の見直しと竹島(独島)問題をうまく利用した。

何よりも、文氏当選の“一等功臣”は崔順實被告と彼女の国政介入・収賄疑惑を暴露した高永泰被告であり、北朝鮮が核実験を控えたことも親北候補の文氏当選に大きく寄与したといえる。

しかし、文政権が進める親北路線は厚い壁にぶつかるだろう。
健全な保守右派の根強い抵抗勢力が新政権の乱暴運転にブレーキを掛ける役割を果たすだろうからだ。与党「共に民主党」は国会の過半数に達しておらず、野党の協力が不可欠となる。

また、「新政権の親北路線が北朝鮮に騙され、韓国が 北に飲み込まれるような危険水位に至る場合は、韓国軍が国家危機状態を絶対許さないだろう」との声も根強い。大統領の弾劾・罷免という前例ができたので、「文在寅大統領も政策ミスを犯した場合は弾劾され刑務所に入る」との圧迫感もある。

韓半島は依然として南北が休戦状態だ。防御兵器である「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の見直しと戦時の米軍作戦権を韓国軍に移譲するのは危険性が高い発想である。文政権はまた、経済の立て直しと青年の就職率を上げないと政権運営に多大なダメージを被る。そのためには日本との協力が不可欠だ。韓日友好と米韓同盟が上手く機能しないと深刻な経済破綻と安保危機を招く恐れがあるわけだ。

選挙期間中に二つに分かれた国論を統合するのも文政権が抱える大きな課題である。根強い保守派の声を無視することはできない。歴代大統領が悲惨な末路を迎えた前轍を踏むことがないよう期待する次第である。

(拓殖大学客員研究員・韓国統一振興院専任教授、元国防省北韓分析官)

高 永チョル

最終更新:5/13(土) 8:01
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