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「学歴神話」の崩壊進む、英エージェンシーの新人採用:求められる多様性と本当の実力

5/14(日) 7:10配信

DIGIDAY[日本版]

広告は労働者階級にルーツがあるものかもしれないが、昔からその職に就くには大学の学位が求められてきた。それが現在、教育費の高騰と多様性の欠如が問題視されるようになり、大卒採用スキームへの依存を見直す動きが、英国のいくつかのエージェンシーで進んでいる。

電通イージス・ネットワーク(Dentsu Aegis Network)、ジェイ・ウォルター・トンプソン(J. Walter Thompson:以下、JWT)、CHI&パートナーズ(CHI & Partners)は1月、学位を持たない入社希望者をはじめて受け入れた。またJWTとCHI&パートナーズは、成績や職歴を見るのではなく、(「当エージェンシーによる力が大いに必要だと考えるブランドをひとつ挙げ、その理由を説明しなさい」といった)4つの質問に対する応募者の回答を評価し、業界の理解度を測る。採用チームはそのうえで、50名の候補者を面接し、そこから新入社員を選ぶ。候補者50名は中等学校よりうえの学位をもっている必要は必ずしもない。

英国で採用の見直しが進む理由

「大卒という条件のせいで優れた人材を逃しているような気がしていた」と説明するのは、WPP傘下のエージェンシーであるCHI&パートナーズで人材責任者を務めるファーン・ノット氏。「広告業界にふさわしい人材であるために学位は必要ない」と、同氏はいう。

英国では現在、若者とその家族にとって大学の経済的負担が増大している。大学教育の費用は、2012年の授業料の引き上げ以降、急激に上昇した。これにより2016年は、大学卒業生1人あたりの借金の推計が4万4000ポンド(約600万円)と、5年前より171%増加している。大卒者以外にも募集枠を拡大するだけで、より多様性のある人材が確保できる。

「親にそれだけの金銭的余裕がないからといって、広告業界で素晴らしいキャリアを築いてはいけない理由などあるだろうか?」と、ノット氏は述べた。

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