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あの頃これが欲しかった!パスポートサイズのビデオカメラ、ソニー『Handycam CCD-TR55』

5/14(日) 7:30配信

@DIME

現代の様にインターネットが普及していなかった1970~80年代。

家庭の娯楽の中心は、「ラジオ」、そして「テレビ」でした。

【写真】あの頃これが欲しかった!パスポートサイズのビデオカメラ、ソニー『Handycam CCD-TR55』

その後、映像信号(ビデオ信号)の記録が可能な、家庭用VTR(ビデオテープレコーダ)が登場。

「VHS」と「ベータマックス」の二つの規格が競合し、鎬(しのぎ)を削りました。

そして技術開発は「録画ができるカメラ一体型VTR」へとシフトします。

ソニーはCCD(電荷結合素子)のカメラを内蔵した、「8ミリビデオ」規格のビデオカセットレコーダーの開発を行いました。

同規格は、カセットアダプタを使用する事によりVHSデッキでも録画・再生を行う事が可能な「VHS-C」規格と競合したものの、結果的に8ミリビデオは、ビデオムービー規格の主流を制する事となりました。

そのきっかけとなった商品が…。1989年にソニーが発表したHandycam「CCD-TR55」なのです!

CCD-TR55の型番の由来とは…。ソニーは、過去に日本初のトランジスターラジオを発売したのですが、その型番がTR-55だったのです。本機にその名を冠した事で、当時のソニーの意気込みが伝わります。

ハンディカム55については、女優の浅野温子さんが、本体を(旧サイズの)パスポートで隠して「発売をお楽しみに」と伝えたCMを覚えている人も多いと思います。当時としては珍しい、実物を映さない「予告CM(ティザーCM)」だった為、観た者の期待を煽り、予約が殺到したそうです。

なにより、縦横のサイズがパスポートで隠れてしまうほどの小型化と軽量化(790g)を実現した事は画期的でした。

例えば、8ミリビデオカメラ1号機「CCD-V8」は、このサイズと形状で重量は1.97kgでした。

当時は、これより大きいサイズと重量のカメラを「担いで」撮影するのが当たり前の時代だったのです。

CCD-TR55が画期的だったのは、それまでファインダーやレンズ、マイクは本体から突出しているのが当たり前だった時代の常識を打ち破り、本体のフォルムに収めてしまった事です。

普通、本体にマイクを内蔵すると、カメラ内部の動作音を拾ってしまいます。本体に内蔵する為にレンズを小型化すると、画面が暗くなってしまいます。従って、それまではこれらを本体へ一体化する事になかなか踏み切れなかったのですが、社内が一丸となって難題に取り組み、克服をしたそうです。

発売当時、筆者はまだ子供でしたが、CCD-TR55のCMを見た時に、即座に「これ欲しい!」と思いました。

しかし当時の値段で16万円。おいそれと買える値段ではありません。子供ながらに熟考したあげく、「今、この時この瞬間は2度と訪れない。家族の団欒(だんらん)を映像で撮っておけば、いつの日かそれを懐かしむ日が来るに違いない。」と抹香臭い考えに至り、それまで溜め込んでいたお年玉を全部つぎ込んで購入してしまいました。思えばワタクシの無駄遣い道は、この頃から始まったのかもしれません。

購入当初の第一印象は、「スイッチが多い!操作が覚えきれない!」でした。当時のAV機器は、イマドキの「液晶画面タッチで階層構造で設定出来るデジタルガジェット」と異なり、個々の機能にそれぞれの設定用スイッチが割り当てられていました。機能の数ほどスイッチがある訳で、ちょっと触っただけではとても操作を覚えきれません。

それでどうしたか、と言うと…。ビデオを撮影する時は、説明書を持参していました。操作が分からない所があると、すぐ説明書を読み直す。この繰り返しでした。

また、液晶画面を見ながら撮影出来る今日日のビデオカメラと異なり、この時代のカメラは、ビューファインダーを覗きながら撮影をしなければなりませんでした。

ビデオを撮影している間は、周りの風景を見る余裕がなかった為、家族には「ビデオばっかり撮影していないで、たまには周りの景色でも見たら?」と言われた事を思い出します。

周りの景色を楽しめる様になったのは、その後、ビデオカメラを液晶ビューカムに買い替えてから、だったのです。その話はまた後日。

SONY CCD-TR55は、ホームビデオカメラ黎明期の、不朽の名機として今でも燦然と輝いているのです…。

※記事中の情報は、記事執筆調査時点のものとなります。
※本記事は、あくまでも筆者の微かな記憶と主観に基づき、飛躍した表現によるエッセイであり、特定メーカーや機種等を貶める意図はございません。

文/FURU

@DIME編集部

最終更新:5/14(日) 7:30
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