ここから本文です

「すべてを失った男」が教えてくれた7つの教訓

5/14(日) 11:10配信

ライフハッカー[日本版]

原文筆者のTom Koulopoulos氏は、10冊の本の著者であり、ボストンに本拠を置く創立25年のシンクタンクDelphi Groupの創設者でもあります。同社は、企業の未来とイノベーションにフォーカスした事業を展開しており、過去にInc.500に選ばれたこともあります。


Inc.:明日の朝目覚めたとき、腕と足が動かなくなっていたら、人生は不公平だと思うでしょうか? その答えに、きっとあなたは驚くでしょう。

自立を得た者と、失った者

私は19歳のとき、ひょんなことから、人生のターニングポイントとなる仕事にめぐりあいました。その体験は私に、人生は公平ではないこと、むしろ、公平であるべきではないことを教えてくれました。


当時、私は待ちに待った一人暮らしの始まりに心を躍らせていました。大学に通いながら仕事を探し、経済的に自立しようとしていました。1970年代に仕事を探すといえば、新聞に掲載されている、いささか情報不足の求人情報を漁り回ることを意味していました。当時の求人広告といえば、140字の制約があるTwitterみたいなもので、ただし略語や絵文字は使えないといった感じでした。


その求人広告をどこで見つけたのか、あまりよく憶えていません。とにかく私は、地元の病院の脊髄損傷ユニット(SCIU)での看護助手の仕事にありつきました。私は看護の経験もなく、医療分野にも興味はありませんでした。唯一興味を引かれたのは、職場が学校の近くで、報酬が良かったということぐらいです。ただし、求人広告には、その仕事が普通の仕事ではないということ、一生続く報酬を受け取ることになること、については何も書かれていませんでした。


患者はすべて18歳から25歳までの若者でした。全員が四肢麻痺を患っていました。C3-C6の脊椎骨に脊髄損傷があり、首から下が麻痺していて、手足を自由に使えない状況にある人ばかりでした。サーボ制御装置の取り付けられた細い棒を使って、電動車椅子を口で操作している人たちもいました。一方、ジョイスティックを操作できるぐらいには手が動く、幸運な人たちもいました。


私の仕事は、患者たちをベッドから下ろすこと、ふつうの人なら何も考えずにできるような作業(歯を磨いたり、食事をとる)を手助けするためにそばについていること、そして、1日の終わりにまたベッドに戻してあげることでした。もちろん、それ以上にいろいろなことがあったのですが、それはまた、追ってお話します。


初めて出勤した日、私は肉体的にも精神的にも疲れ切ってしまいました。私と同じような年端の行かない若者たちが、生活のすべてにおいて、誰かの助けを借りなければならない現実を目にして、吐き気のような気分に、何度となく襲われました。一方、その頃の私は、体のコンディションもエゴも人生最高潮のときであり、やっと手に入れた自立した生活を心から楽しんでいたのです。それでの、なんとかその日をやり過ごすことができました。それは、深いレベルで人助けの感覚を得られたことと、なによりもお金が欲しかったからだと思います。しかし、そんな心境はすぐに変わることになります。


日を追うごとに、私は謙虚になっていきました。若者たちの、超人的とも言える生きる姿勢に心を動かされ続けた結果です。彼らは、私がふだん大切に思っているものを、すべて奪われていました。そして、あまりに突然だったので、そのことについて考える時間ももらえませんでした。どの患者も、バイクや車の事故で脊髄を損傷していました。多くは大学に入る直前の夏、つまり、子どもから大人になる時期に事故にあっていました。ある日、若者は友人たちとふざけあっていました。スイミングプールへ向かって車を走らせていました。顔に風を受けながらバイクを走らせていました。そして、翌日、目が覚めると、かゆいところも掻けない体になっていたのです。


しかし、患者たちの適応する力、決してあきらめない心は、私よりもずっと強かったのです。


私はこの仕事を6カ月したあと、超人的な若者の1人であるアリの常勤補助として、4年間働くことになります。当時、私は大学に通いながら経済的に自立し、ボストンの中心街にあるアパートをシェアし、車さえ所有することができる仕事につけて、心から喜んでいました。しかし、私はその仕事から、得られたお金よりもずっと多くのことを学ぶことになるのです。


アリが私に教えてくれたことは、私たちの誰もが学ぶ必要のある貴重な教訓でした。それはたとえば、人生は公平ではない、状況に不平を言うのはエネルギーの無駄である、配られたカードでどうプレイするかは自分で選ぶことができる、自分の態度は自分の考え以外の何ものによっても決められない、といったことでした。


4年間の思い出をすべてお話しすることはできませんが、いつも私の心に突き刺さってくる1つの思い出があります。

1/5ページ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

ライフハッカー[日本版]

株式会社メディアジーン

毎日更新中

ガジェットなどを駆使し、スマートに楽しむ仕事術「Lifehack」。「ライフハッカー[日本版]」では、その言葉を広義に捉え、生活全般に役立つライフハック情報を日々お届けします。