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公務員の出張で貯まった飛行機のマイルは誰のものか?

マネーポストWEB 5/14(日) 16:00配信

 近年は、商品を購入すると貯まるポイントが多くのサービスで発行されている。財布がポイントカードでパンパンになっている人も少なくないだろう。こういったポイントシステムをいち早く導入したのが飛行機業界だが、公費で貯まる飛行機のマイルは個人のものとして良いのだろうか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 公務員です。部署の都合で出張が多く、飛行機の利用もあります。そこで悩んでいるのはマイルの扱い方です。今のところ公費とはいえ、マイルは個人で貯めています。ただ、公費ですから、マイルを個人利用するのはどうかとも思っています。出張で貯まるマイルを個人のものにするのは間違っていますか。

【回答】
 今はポイントシステムが、広範に利用されています。マイルもその一つですが、貯まると当該カードの発行会社以外の事業者の商品購入やサービス料金の支払いにも使えます。こうしたポイント制度の性質について、公正取引委員会は平成15年に「値引きである、景品ではない」との見解を示していますが、ポイントカードの機能は様々で、一概にはいえません。

 しかし、ポイントは「電磁的に記録されたもので、契約の定めに従って、金銭債務の支払いに使える電子情報」であり、カード発行企業が通用を保証した一種の企業通貨といわれています。そして、デジタル情報に基づいて発行企業に金銭債務の履行を要求できる点から考えると、いわゆる電子マネーに類似しています。

 ところで、出張に必要な旅費は使用主の負担です。大抵は旅費規程などで金額が決まることになっており、特別な事情がない限りは、その範囲で出張することが労働者の義務といえます。その労働者に対し、交通機関などに正規料金からの値引きを求める義務を課していなければ、マイルを私的に使っても契約違反にはなりません。

 もっとも、ポイントは値引きであると公取委が言明し、電子マネーに類似した価値があるので、値引き分を返納したり、マイレージの換算分を申告する義務が少なくとも道義的にはあると使用主からいわれるかもしれません。

 その場合でも、職場でマイレージカードが利用されているのであれば、ポイント制は今や常識ですから、ポイントやマイルの申告などの格別な手当を定めていない使用主は、労働者の使用を認めているといえます。

 逆に、誰も使っていないのであれば、元は公費ですし、マイルを申告するか、マイレージカードの利用を控えたほうが無難です。

【弁護士プロフィール】竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。

※週刊ポスト2017年5月19日号

最終更新:5/14(日) 16:00

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