ここから本文です

試合後は声がガラガラ。 情熱家・コンテ監督がチェルシーを戴冠に導く

5/14(日) 12:20配信

webスポルティーバ

試合終了のホイッスルが鳴ると、チェルシーの選手たちが一斉に歓喜の雄叫びを上げた。

 優勝に王手をかけていた第37節のWBA戦を1-0で勝利し、チェルシーが2季ぶりとなるリーグタイトルを獲得した。就任1年目のアントニオ・コンテ監督は、ベンチから飛び出して選手たちと次々に抱擁。アウェーマッチまで駆けつけたサポーターも、「チャンピオン!」の大合唱とともに勝利の美酒に酔いしれた。

【写真】アトレティコ戦でレアルを救ったカリム・ベンゼマ

 リーグ10位と散々な成績で昨季を終えたチェルシーは、今季からイタリア人のコンテ監督を新指揮官に迎えた。2016年の欧州選手権で旋風を巻き起こしたイタリア代表の指揮官として実績は高く評価されていたが、マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督やマンチェスター・ユナイテッドのジョゼ・モウリーニョ監督に注目が集まり、シーズン開幕前の下馬評は必ずしも高くはなかった。

 ところが、消化試合がひとつ少ない2位トッテナム・ホットスパーに勝ち点10差をつけ、2試合を残してリーグ優勝を決めた。第12節で初めて首位に立つと、それ以降一度もトップの座を譲ることなく戴冠まで突っ走った道程を踏まえても、今季のプレミアリーグは紛れもなく「チェルシーの圧勝」だった。

 とはいえ、シーズン序盤は苦戦を強いられた。開幕当初は守備に隙が散見され、第6節までに9失点を献上。第5節リバプール戦(1-2)と第6節アーセナル戦(0-3)で連敗すると、英メディアではコンテ監督の解任論さえ浮上した。すると、イタリア人指揮官は第7節のハル・シティ戦から、それまでの4-1-4-1から3-4-2-1へシステムを変更。この3バックへの移行が吉と出た。

 足かせだったディフェンスはここから著しく改善し、6試合連続のクリーンシート(無失点試合)を達成。怒濤の13連勝で白星を積み上げていった。「今季のターニングポイントをひとつ」と問われれば、間違いなくこの3-4-2-1へのシステム変更になる。

 こうしたコンテの「戦術的柔軟性」が、既存戦力の持ち味を最大限まで引き出したことも優勝の一因だ。もっとも恩恵を受けたのは、ベルギー代表MFのエデン・アザールだろう。これまでは左サイドMFとしてタッチライン近くでプレーすることが多かったが、3-4-2-1の「2」の位置に入ると、より中央の位置でボールを受けられるようになった。

 加速力抜群のドリブル、切れ味鋭いワンツー突破、カットインからのミドルシュートを得意とするアザールは、この戦術変更で水を得た魚のように輝きが増した。理由は、中央に移動したことで味方選手との距離が近づき、プレーの選択肢が増えたこと。センターフォワードのジエゴ・コスタと良質のコンビネーションを奏でながら、チーム2位の15ゴールを挙げた。モウリーニョ前政権時代は低迷していたエースが、見違えるように息を吹き返したのは大きかった。

1/2ページ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Sportiva

集英社

Sportivaムック
4月13日発売

定価 本体1,472円+税

フィギュア特集
『羽生結弦 平昌への道』
■ヘルシンキの激闘
■宇野昌磨、本田真凜ほか