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『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』劇中歌は大人向け? 選曲テーマの変化を読む

5/14(日) 21:22配信

リアルサウンド

 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の続編『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』が公開され、Electric Light Orchestra(ELO)やサム・クックなどがラインナップされた劇中曲に注目が集まっている。

 ユニークな登場人物が宇宙の平和をかけてドタバタ劇を繰り広げるストーリーや、見応えのある派手なアクションシーンが人気を博している同シリーズ。劇中で使用されるサウンドトラックも、本編と同じく高い評価を得ている。

 前作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のサウンドトラック『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:最強 Mix Vol.1』は、2015年のグラミー賞(最優秀編集サウンドトラック・アルバム賞映画、テレビその他映像部門)にノミネートされ、同年の米ビルボード200チャートで1位を獲得。本編の内容もさることながら、ファンからは劇中で使用される楽曲にも熱い視線が注がれている。

 劇中で流れるのは、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのリーダーであるピーター・クイル(クリス・プラット)の母親が、形見として彼のために残したミックステープに収録されている楽曲。母親の大好きだった曲がセレクトされているため、彼女の青春時代である70年~80年代に流行った名曲やコアなアーティストがピックアップされている。監督のジェームズ・ガンは、新作の選曲について「1作目と比べてより洗練された、ありとあらゆるジャンルを網羅した選曲になっている」と公式インタビューでコメント。今作では、前作の最後に存在が明らかになった“最強ミックス VOL.2”の収録曲が映画を盛り上げていく。

 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』のテーマのひとつが“家族”である。実の父だと名乗るエゴ(カート・ラッセル)、育ての親であるヨンドゥ(マイケル・ルーカー)、家族のような関係にあるガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのメンバー、それぞれとの関係の変化や絆が描かれていく。そんなテーマにあわせ、Cheap Trick「Surrender」、キャット・スティーブンス「Father And Son」といった家族をモチーフとした楽曲が使われている。また、船乗りとバーに勤める女性のやりとりを歌ったLooking Glassの「Brandy」も、ピーター一家の家族関係を象徴する曲として使われている。

 ピーターとガモーラ(ゾーイ・サルダナ)、ピーターの母と父の恋模様も描かれる同作では、サム・クック「Bring It On Home To Me」、Silver「Wham Bam Shang-a-Lang」といった恋愛を歌った曲も登場。バンドメンバーが複雑な関係を持っていたFleetwood Macの「The Chain」はガーディアンズの絆を表現し、さらにジョージ・ハリスン「My Sweet Lord」のような神への崇拝を歌ったメッセージ性の強い楽曲も使われている。もちろん、観客のテンションを上げてくれるノリの良い曲としてELO「Mr. Blue Sky」、Parliament「Flash Light」なども散りばめられている。Jay & The Americans「Come A Little Bit Closer」に至っては、一見すると曲のイメージとまったく当てはまらないシーンで使われていたが、曲と画のギャップが格好良い演出になっていた。

 ガン監督は、脚本執筆と同時に、そのシーンに合った挿入歌を考えながら制作を進めたという。今回の楽曲について「8歳の子どものためにされたものではなく、より成長した人に向けられた音楽なんだ」と明かしているように、アップテンポなロックサウンドやグルーヴィーなブラックミュージックが使用されていた前作と比べると、大人の人間関係をイメージさせる曲や味わい深いミディアムナンバーがセレクトされている印象だ。

 同シリーズの挿入歌は、鑑賞者の感情を煽るだけでなく、ストーリーテリングの役割を担っている。歌詞の意味や楽曲が生まれた背景を知ることで、さらに深く作品を楽しむことができるはずだ。

泉夏音

最終更新:5/14(日) 21:22
リアルサウンド