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香川が指摘するドルトの課題。“強者の条件”満たせなかったアウクスブルク戦

5/14(日) 10:49配信

フットボールチャンネル

 ボルシア・ドルトムントは現地時間13日、アウェイでアウクスブルクと対戦して1-1のドローに終わった。先発フル出場の香川真司は同点ゴールをアシストしたが、勝ちきれなかったチームには課題があると試合後に指摘している。(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)

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●メディアの喧騒の中で迎えた試合

 “強者の条件”とは。2017年5月13日のブンデスリーガ第33節、ボルシア・ドルトムントはFCアウクスブルクとのアウェイゲームを1-1のドローに終える。試合の後で香川真司は、対戦相手を讃えつつ、自分たちの「課題」を口にした。

「相手も残留が掛かって必死でしたし、ただ、僕たちもね、しっかりとここで勝って3位を決定付けたいっていう気持ちももちろんあったので、こういう状況でも勝たなきゃいけないですし、それこそが強いチームで、こういうところで勝ち切れないのはすごく課題ではあると思います」

 香川の語る「こういう状況」。アウクスブルク戦は、真偽の程はともかく“内紛”がメディアを駆け巡る中で迎えた試合だった。もっとも、メディアの騒ぐ“トゥヘル監督の話題”はチームの雰囲気に「別にそんなに影響はなかったです。試合に影響が出ることはないと思います」と香川は言う。

 前節はホッフェンハイムを接戦の末に退け、3位に浮上したドルトムント。とりあえずはピッチ外の喧騒をよそに、来季チャンピオンズリーグの本戦出場権を確定すべく戦った。しかし相手は残留争いの渦中にあるチーム。生き残ろうとする強靭な意思で、ピッチ上に強固な守備ブロックを築く。攻略は簡単ではなかった。香川は振り返る。

「相手もすごく、みんなで守っていたので、なかなかスペースがなかったので、僕らも効果的な攻撃が90分を通してなかなかできなかった」

●香川アシストで同点も…相手の残留への執念崩せず

 序盤からドルトムントが主導権を握る展開ではあった。敵のカウンターを警戒しつつ、ボールを回していく。しかし、なかなかペナルティエリアの前に入っていけなかった。

「前半はよりタイトに、彼らは守ってきていたので、あまりスペースが生まれなかった。動きの質を考えながら、左サイドは特にマルコ(・ロイス)とラファ(エル・ゲレイロ)とコンビネーション、ワンタッチで上手くボールを回していけたらいいなあというのは、まあ、徐々に掴めていたところはある」

 一方でユリアン・バイグルが23分に負傷交代。マティアス・ギンターがワンボランチに入り、香川も「より僕が下がったりしながら受けることを意識しました」と、主軸の抜けた穴をサポートした。しかしボランチのポジションをこなすことは問題ないが、前に入っていくタイミングはなかなか掴めなかったと香川は言う。

「そこで叩くだけでなく、そこから前線にどうしかけて行けるかっていうのは、なかなか今日はスピードアップできなかったです」

 こうしてドルトムントがサイドからの攻撃を意識しつつ、敵の固い守備に四苦八苦していると、29分、GKルーテからのロングキックで左サイドを一発で突破されてしまう。マックスの鋭い折り返しを、ビュルキが辛うじて弾いて、そこをフィンボガソンに押し込まれて先制を許す。

 その直後の32分、フェルハーフのクリアボールを拾った香川が、エリアの外からミドルシュート。これをGKの前でオーバメヤンが右足で触ってゴール。すぐに同点には追い付いたが、その後が続かなかった。

「相手も後半、時間とともに守備の陣形が慣れてきていたんで、自分たちもなかなか効果的にスペースを突くことができなかったというか、なかなかタイトだったので、そういう意味ではやっぱりサイドに改めて起点を作らないと中央で崩すのは、なかなか難しいとは思います」

 そう香川が語るように、後半は右に流れたデンベレを軸に勝ち越しを狙ったドルトムントだったが、最後の最後まで追加点を奪うことはできなかった。香川も61分に絶妙のクロスをオーバメヤンに送り、81分にはギンターからのチップキックを、ゴール前で頭でまたもオーバメヤンに折り返したが、2つ目のアシストはならず。アウクスブルクの残留への執念を崩すことはできず、試合は1-1のドローに終わった。

●本当に「強いチーム」となるためには

 香川は「勝てた試合」と振り返る。

「チャンスもあったのでね、それを振り返れば、僕たちが勝たなきゃいけなかったゲームだった」

 香川の語る「こういう状況」には、対戦相手が残留に向けて死に物狂いである状態も意味するだろうか。いずれにせよ、ピッチ内外の「状況」に左右されず、目の前のゲームを勝ち切れるチームこそが、「強いチーム」ということになるのだろう。

 同時刻キックオフの他会場では、バイエルンが一時はRBライプツィヒに2-4とリードされながら、84分のレバンドフスキのゴールを皮切りに、アディショナルタイムに2点を奪って逆転で勝利を収めている。

 もちろん王者の現況とドルトムントの置かれた状況を、いっしょくたにすることはできない。しかしバイエルンは、既にリーグ優勝を決めているにもかかわらず、2位相手の消化試合で最後の最後に勝ち切った。ブンデスリーガ史上初の5連覇を成し遂げたミュンヘンのビッグクラブが、“強者の条件”を満たしていることは間違いないだろう。

(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)

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