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【よくわかる講座:人材派遣】人材派遣をめぐる「法律」と「対応」

5/15(月) 7:30配信

日本の人事部

(1)人材派遣の「法的性格」

●人材派遣は「禁止の例外」である

ここでは、人材派遣に関する「法律」とその「対応」について解説する。正社員を雇用する一般的な企業の場合、雇用する労働者に指揮命令して働かせることができる。しかし人材派遣では、派遣元が雇用する労働者を他社に派遣し、その派遣先が指揮命令を行い、働かせることになる。派遣スタッフと派遣元の間には「雇用関係」、派遣スタッフと派遣先の間には「指揮命令関係」が存在し、雇用関係と指揮命令関係が分離することに、人材派遣の法律的な特徴がある。

そもそも、人を派遣する行為を生業とすることは、許されるものではなかった。法律では、人の自由な意思を阻害する恐れがあるため、労働者をやり取りをする事業を好ましく捉えておらず、「職業安定法第44条」にもあるように、「労働者供給」という禁止事業に含まれる人材派遣は、もともと禁止されていた。しかし、失業者の就業機会を増やす役割への期待や多様な人材を活用したい企業の要望など、社会の成熟とともに、1986年に施行された「労働者派遣法」の下、一定のルールに従って行われている事業についてのみ、人材派遣は例外的に許されているのである。

(2)派遣事業と「労働法」

●人材派遣には「労働法」のほか、「労働者派遣法」が適用される

労働者を使用する場合、使用者よりも弱い立場にある労働者の権利や福祉を保護するため、さまざまな法律が定められている。その中で、労働者の保護を目的とする分野の法律が「労働法」で、最も代表的な法律が「労働基準法」である。「労働基準法」では、労働時間や賃金の取り扱いなどに関する内容を定めている。「労働法」に関しては、その他にも「男女雇用機会均等法」「育児・介護休業法」「安全衛生法」など、注力すべき法律が存在する。

人材派遣においては、「労働基準法」をはじめとした「労働法」だけではなく、従来の法律ではカバーし切れない「派遣」という形での労働に特化した「労働者派遣法」も適用される。「労働者派遣法」の正式名称は「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」と言い、派遣会社の事業の許可基準や運営に関するルールのほか、派遣スタッフの保護に関するルールなど、派遣で働く人の権利を守るために、派遣元や派遣先が守るべきさまざまな内容が定められている。ところが、「労働者派遣法」は、派遣元のように常に派遣業務にかかわるところを除いて、その内容についてあまり知らないのが実情だ。しかし、人材派遣を活用する上で大変重要な法律であり、派遣先の経営者や現場の管理職などは、その内容を的確に知っておく必要がある。


【「労働基準法」が定める内容(概要)】
 1.労働条件の原則
 2.労働契約
 3.賃金
 4.労働時間、休憩、休日、年次有給休暇
 5.安全衛生
 6.年少者、女性の特別事項
 7.災害補償
 8.就業規則
 9.罰則


【「労働者派遣法」が定める内容(概要)】
 1.派遣できる業務の範囲
 2.派遣事業の許可
 3.派遣契約に定めるべき事項
 4.派遣期間の制限
 5.派遣元の講ずべき措置
 6.派遣先の講ずべき措置
 7.労働基準法など法律の適用に関する特例
 8.罰則

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最終更新:5/15(月) 7:30
日本の人事部

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