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大谷翔平の背中を追って… 花巻東の同級生が歩む 独立リーグのイバラ道

5/15(月) 8:10配信

webスポルティーバ

 かつてプロ野球(NPB)を目指し、独立リーグに身を投じた男が、大谷翔平(日本ハム)を間近で見たことで、自分の目指していたものの遠さに気づき、選手としてピリオドを打った。その彼はいま、大谷が所属している北海道日本ハムファイターズの裏方として野球界に身を置いている。

【写真】先発からリリーフに転向したDeNAの砂田毅樹

 その彼とは逆に、大谷を間近で見続けてきたからこそ、プロ野球を目指すと決めた若者がいる。ルートインBCリーグの福島ホープスでプレーする高橋恒(たかはし・ひさし)だ。

 高橋と大谷の出会いは、岩手・花巻東高。同級生である大谷は、入学したときからすでに異次元の存在だった。学年が上がるにつれ、高橋も同じグラウンドに立ってプレーするようになったが、花巻東は常に”大谷のチーム”であり、世間の注目はそのスーパースターひとりに注がれていた。

 スカウトの目も同様だった。彼らの視線の先にあるのは大谷だけで、高橋らが目を向けられることはなかった。ドラフトにかからなかった高橋は、岩手から近い青森大学に進路を決め、野球を続けることにした。

「高校の監督に言われました。今はどの球団も右の大砲がいないから、頑張ればプロに行けるって」

 しかし、その頃は、投打にわたってズバ抜けていた大谷が進む世界に、自分が身を置くことを想像するのは難しかった。

 大谷は、プロ野球はおろかメジャー球団まで巻き込んだ争奪戦の末、ドラフトで強行指名を行なった日本ハムに入団することになった。

 ここで大谷がプロの壁にぶち当たるようなことがあれば、高橋にとってプロ野球の世界は「見果てぬ夢」で終わっていたかもしれない。しかし、大谷は前人未踏の”二刀流”選手として、瞬く間にプロ野球を代表するプレーヤーにのし上がった。

 大谷がプロ野球界の頂点に一歩ずつ近づいていく姿を見て、自分もプロの世界に手が届くはずという思いが、高橋は年々強くなっていったという。

「あの大谷があそこまでいけるなら、自分でも……と思うようになりました」

 自分が大谷になれないことは百も承知している。しかし、高橋の目の前にいた天才は、世界のスーパースターを目指す選手になろうとしている。仮にも、その選手と一緒のグラウンドに立っていたのだ。だとすれば、自分にもプロ入りのチャンスはあるのではないか。その思いで大学4年間を過ごした。4年時には春、秋のシーズンで北東北大学リーグのベストナインに選ばれたことも、高橋の目標を確固たるものにした。

 一緒にプレーする同級生が次々と進路を決めていくなか、高橋は就職活動すらしようとしなかった。

「実際には、実業団のチームからお声がけをいただき、2社ほど内定はもらっていたのですが、結局、お断りしました。もう野球でメシを食っていこうと思っていましたから。同期には実業団の強豪に進路を決めたヤツもいましたし、普通に一般企業に就職したヤツもいました。でも、僕のなかで迷いはなかった。やっぱり、社会人野球に進むって、自分のなかでは『逃げている』って感じなんですよね。安定を求めているっていうか……」

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