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セブン古屋社長激白「24時間営業はやめない」

5/15(月) 6:00配信

東洋経済オンライン

厳しい消費環境でも、業績を伸ばしてきたコンビニエンスストア業界。だが、人手不足や人件費上昇の影響が徐々に色濃くなっている。
業界内では24時間営業を見直すべきとの声も出始めた。大手コンビニ首脳は24時間営業について「1社だけで決める話ではなく、業界全体として本気で向き合わなくてはいけない時期に来ている」と強調する。
そんな声に業界のガリバー、セブンーイレブン・ジャパンはどう応えるのか。古屋一樹社長を直撃した。

【図】コンビニはグループ営業利益の8割超を稼ぐが・・・

■チャージ1%減額が公平かつ平等

 ──今年9月から加盟店から受け取るチャージ(経営指導料)を1%減額することを決断した。セブンがチャージ率の見直しに踏み切るのは1973年の創業以来初めてのことだ。

 約1年前から議論してきた。店の売り上げも伸びてきたが、人件費はそれ以上に上昇している。さまざまな方法を検討したが、チャージ1%減額が加盟店に対して公平かつ平等という結論に至った。この施策で加盟店1店当たり月6.5万~7万円の負担減になる。人件費の補塡だけではなく、従業員が働きやすい店づくりにも使ってほしい。

 ──今回の減額措置では支援が不十分、という声も聞こえてくる。

 現在約1.9万店を展開し、その店舗をおよそ1.3万人の加盟店オーナーが支えている。いろんな意見があって当然。ただ報告を受けているかぎりでは、総じていい方向にとらえてもらえているようだ。

 ──チャージ減額に関するリリースには“当面の間”実施するとあるが。

 基本的にはずっと続けていく。エンドレスだ。

グループ収益への影響は?

 ──これまでセブンは既存店売上高が57カ月連続で前年同月を上回るなど好調だが、2017年度の営業利益は2440億円と横ばいの見通しだ。

 今回の加盟店支援は半期だけで80億円の負担となる。広告宣伝も積極的に行う。経費増になる部分を除けば、100億円以上の増益は可能だ。勢いが弱まっているわけではない。

 ──コンビニ事業はセブン&アイ・ホールディングス(HD)全体の8割超の利益を稼いでいる。チャージ減額に踏み切るのには葛藤があったのでは。

 グループの利益バランスはあくまでHDが見ること。私はセブンの代表として、加盟店の利益を確保する必要がある。

 今のHDのトップが井阪(隆一)社長というのも大きかった。井阪さんがセブンの社長、私が副社長の時代からチャージ減額について話し合ってきた。そうした流れもあり、HDに快諾してもらえた。今回のチャージ減額で絶対に利益を落とさないということはHDと約束した。 

■深夜閉店なら朝晩苦戦

 ──深夜帯の人手確保は困難な状況が続いている。セブンとして24時間営業を見直す考えはないのか。

 見直すつもりはいっさいない。夜11時から朝7時の売り上げや人件費を考えれば、閉めたほうがいいというのは誰もが持つ発想だ。

 だが、そんな単純な話ではない。セブンの場合、朝昼晩とピークの時間帯が三つある。仮に深夜帯に閉めてしまうと、朝と夜の売り上げが激減してしまう。朝7時に来ても、商品が棚に十分並んでいない。夜11時に店に行くと、閉店前なので品数が減っている。その結果、販売の機会ロスが起きる。おそらく店の売上高は3割ぐらい減るだろう。

 ──地方では深夜に客が来ない店もある。そうした店舗でも深夜に開け続ける必要があるのか。

 いつでもセブンが開いているというのが、お客様の安心感につながる。

 作業割り当てという観点からも、深夜の営業をやめると、昼間に作業負担が集中してしまう。20~30年前に24時間営業に異議を唱えた加盟店があり、数十店が16時間営業にしたことがあった。結局、そのうち9割の店舗は自ら24時間営業に戻していた。

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