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フェイスブックのVRカメラ構想に見え隠れする「野心」と、コミュニケーションの未来

5/16(火) 12:11配信

WIRED.jp

フェイスブックは、360度のヴァーチャルリアリティ(VR)動画を高精細に撮影できるカメラを独自開発している。2016年にオープンソース化された最初のヴァージョンに引き続き、今回はレンズ24個と6個の2機種を発表し、メーカーにライセンスする。一連の戦略からは、同社のVR動画への野心と、巨大市場への意気込みが見え隠れする。

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フェイスブックは動画こそが未来だと確信している。といっても、ただの動画ではない。ヴァーチャルリアリティ(VR)による没入型の360度動画だ。当然のことながらそうした動画の作成には、これまでとはまったく違うタイプのカメラが必要になる。カメラ技術の第一人者であるブライアン・カブラル率いるフェイスブックのエンジニアチームはいま、こうした高額なデヴァイスの市場を大幅に拡大したいと考えているのだ。

カブラルの開発チームは4月19日午前(米国時間)、カリフォルニア州サンノゼで開かれたフェイスブックの年次開発者カンファレンス「F8」において、360度動画を超高解像度で撮影できるよう設計された新型カメラ2機種を発表した。

6自由度に対応した高精細なVRカメラ

これらの球体型デヴァイスのひとつである「Surround 360 x24」は、24個のレンズで被写体をとらえる。よりシンプルで製造コストも安いもう1機種の「Surround 360 x6」は、撮影に6個のレンズを使用する。どちらも「6自由度(6DoF)」、つまり、前後左右上下という3次元の直交座標系の軸に沿うほか、3軸おのおのの周囲を回転しながら動画撮影を行う。これはつまり、現在市場に出回っている多くのカメラよりも、リアルで完成度の高い映像を撮影できるということだ。

VFX制作会社フレームストアのシニア・クリエイティヴ・デヴェロッパーで、今回発表された2機種の初期ヴァージョンをテストしたヨハネス・サームはそう説明しつつ、「ヘッドセットを装着すると、こうしたカメラが撮影する映像の存在感はいっそう素晴らしいものになります」と語る。

フェイスブックの当面の目標は、「Samsung Gear」などのVRヘッドセット向けの3D動画の撮影、およびスマートフォンやノートパソコン、PC向けに3Dではない360度動画に必要なツールを、プロの映像制作者に向けて提供することだ。だがカブラルたちは、さらにその先にある未来も見据えている。やがては、こうした動画がFacebook上に頻繁に登場するようになるという未来だ。「家族や友人と共有できる、内容豊かな没入型のストーリーを通じて、ユーザー間の距離を縮めることが狙いです」とカブラルは語り、フェイスブックが提唱する「世界をつなぐ」というミッションを強調した。

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最終更新:5/16(火) 12:11
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