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「働き方座談会」開催!フリーランスで働く人たちの本音を直撃

5/16(火) 7:20配信

@DIME

 先日、経済産業省が設置する有識者の研究会が、企業と雇用関係を結ばない「フリーランス」の働き方について、「企業と労働者の両者にとって良さげな選択肢になりそうだ」という報告書をまとめ、話題となった。2017年3月には「政府がフリーランスの失業保険を創設する」と報道。いよいよ政府は本腰を入れ始めたと見える。

【写真】「働き方座談会」開催!フリーランスで働く人たちの本音を直撃

 私個人の意見として、フリーランスの働き方はビジネスマンの仕事に通じる部分もあると考えている。フリーランスは、人と人のつながり方、働き続けるための意識改革を自然と備えているからだ。

 そこで今回はフリーランスで働く方々に集まって頂き、座談会を開いた。この座談会の模様がビジネスマンの働き方のヒント、フリーランスに興味のある読者の参考になればと願う。それではこの座談会に集まって頂いた方々をご紹介したい。

映像クリエイターの熊田勇真さん。
現在はWEBプロモーション動画の制作をメインに活動。

音楽クリエイターの宮川祐史さん。
CM、映画、アイドルなど、全ジャンルの音楽を制作。
2017年2月までフリーランスとして活動。
現在は株式会社「Magic Stomp」の代表取締役。
ちなみに、税金面などのメリットから「フリーランスで活動するより、たとえ一人でも会社化した方がいい」と主張する方は多く、働き方も変わらないことがほとんどなので、今回お呼びした。

ライター事務所「オフィスチタン」に所属する上原純さん。
私をはじめ、周りから「フリーになれ!」と猛プッシュされており、ライターはフリーランスの働き方に近い側面もあるのでお呼びした。

構成作家の平井悠美子さん。
お笑いライブの台本書き、テレビやラジオのリサーチを担当している。

そして放送作家であり、ライターとして働く筆者の井上を加え、5人で座談会を開いた。ここからは座談会の模様より、ビジネスマンの働き方のヒントやフリーランスの実態に迫っていきたい。

■フリーランスで働く人は「フリーになって良かった」と思う人が大半

井上:それでは座談会を始めさせて頂きます。さっそく不躾な質問をするのですが…みなさんフリーランスになって辛かったことはあります?

熊田:うーん…フリーになって良かったと思っているからね。事務所を抜けたことで得た「自由」が大きい。

井上:と言いますと?

熊田:映像の仕事は、機材さえあればどこで仕事をしても問題ない。事務所にいた頃は、「朝9時からなんでここで編集しなくちゃいけないの?」と思っていた。

井上:熊田さんにとっては、フリーランスのメリットが圧倒的に大きかったんですね。

宮川:というより、フリーになる人って、会社と何かあったからフリーになることが多いはず。僕や熊田さんは違ったけど。だからフリーになってからの愚痴は少ないと思います。

平井:そうですね。みんな前向きにとらえている人が多いかも。「自分で選んだ人生だし」という感じ。

井上:今のお話を聞いて、上原さんは何かあります?

上原:…立場上、事務所に残るメリットを僕が話さないといけないですよね。

(一同 笑う)

上原:メリットとしては、事務所から仕事をもらえるので、所属している人間は何もしていなくてもどんどん仕事を振ってもらえます。フリーでは決して関われなかったような仕事を担当させてもらえることもあります。サバンナで例えると、ライオンが口を開けて座っていて、その口にシマウマがどんどん飛び込んでいく感じ。

井上:そりゃいいですね。僕も事務所入ろうかな。

上原:それが良いか悪いかは人それぞれです。逆を言えば、事務所の仕事は選べないというデメリットもあります。

■依頼先とは信頼とコミュニケーションを築きたい

井上:ちなみにですが、フリーランスに仕事を依頼する、依頼先に気を使ってほしいことはあります?

平井:やっぱりギャラは先に聞くのが普通ですか?

上原:そうですね。

平井:私はTVディレクターにギャラの額をなかなか聞けなくて…。なんで先に言ってくれないんだろう…。

井上:それ分かる…。

上原:熊田さん、そうなんですか?

平井:いや、TVディレクターと映像クリエイターはまた違うので…。

熊田:うん、かなり違うね。ちなみにだけど、映像クリエイターのギャラ交渉は、作業量のボリュームが初めの段階で分からないことも多い。だから先に仕事の量やギャラの具合を「どんな感じですか?」とカウンリングする。こっちが交渉する前から「予算が20万円しかなくて…」と言ってくることもある。探りを入れながらギャラを決めていくことが多いかな。

平井:ギャラ交渉はフリーランスの醍醐味でもありますよね。でもそれも、ある程度の信用と立場が必要ですけど…。

上原:業界によって違うかもしれないですね。ライター業界は先に編集部が提示してくれます。

宮川:何でもそうですけど、仕事の技術は習得するまでに時間がかかる。時間をかけて得たものを使って仕事をしているわけだから、「それなりの対価」は当然ほしい。僕もこの仕事に就くまでは「音楽なんてタダ同然でやってあげてもいいじゃん」と思っていた側でした。でもこの仕事に就いて意識はガラリと変わりました。

井上:では、まとめると、依頼先はギャラをあらかじめ提示してほしい。もしくは、我々がやっている仕事をきちんと理解した上でギャラ交渉に応じてほしい。

一同:うんうん。

熊田:あと依頼する側は、参考映像や具体的なイメージを持っていてほしい。たまにほぼ丸投げの状態で仕事を依頼してくることがある。いやちょっと待ってくれ、と。制作の途中経過は見せるけど、場合によっては修正にとんでもない時間がかかるから、最初に「ここはこうしたい」というイメージを教えてほしい。

宮川:あー、めちゃめちゃ分かります。音楽の打ち合わせも抽象的な言葉の投げ合いになる。クライアントが打ち合わせで「イケイケの音楽にして!」と言ってくることがあって、けれども「イケイケ」のイメージがお互いに違うことも多々あって。

(一同 爆笑)

上原:宮川さんはハウスミュージックのイメージでも、依頼先は80年代のディスコの「イケイケ」をイメージしている感じですか?

宮川:まさにそんな感じっす(笑)。こっちの「イケイケ」とクライアントの「イケイケ」を合わせていく作業が必要です。

熊田:何か具体的なイメージがあればベストだよね。そうしたら打ち合わせも「イケイケ」になる。

宮川:イメージがあっても、それを伝えられなくて困っていることもあります。だから打ち合わせでクライアントのイメージをどんどん引き出していくのも仕事ですね。

熊田:分かる。そうしないとただの作業になるよね。

宮川:事務所にいたときは、どうしても作業になってしまう仕事もあった。でもフリーランスになると、クライアントのことを本当に考えてあげる心構えというか…仕事の姿勢がまるで変わりました。

井上:勉強になります。

宮川:個人的には、クライアントに喜んでもらうためにやっているところがあります。視聴者がCMを見て「これ良い!」と思うより、クライアントが「宮川に頼んで良かった!」と言ってもらえる方が嬉しいです。クライアントから2回目以降も発注がくるのは「宮川が作る楽曲は本当に良い」ということなので、それがモチベーションですね。

井上:フリーランスとしては、依頼先との信頼関係とコミュニケーションを築きたいということですね。

■人と出会った経験があるほど、自信につながり、チャンスに変えられる

井上:フリーランスは誰か頼れる人脈がいないと仕事が成り立ちません。だからこそみなさんに、人と出会ったり、人とつながったりする方法を教えていただきたいです。

熊田:僕の場合は、人と出会う場所に行くことかな。仕事ではなく、ただ新しい出会いを探しに行く。

平井:初めてお会いするけど、熊田さん人当たりいいですよね。

熊田:あと、面白そうな会社を見つけたら、自分からどんどんメールしてつながっちゃう(笑)。実際にそれで仕事になったところもあるし。営業ではないけど、「お話聞かせてください」という感じで行くときもある。

上原:意外と対応してくれるんですね。

熊田:映像関係で困っている会社は多いみたい。邪険にはされないかな。

井上:僕の知人ライターも同じことをやっていますね。出版社に突然連絡しても、嫌がられることはあまりないって言っていました。知り合いの放送作家は、毎日誰かと出会う生活を何年も続けて、20代なのに、30代を思わせる大人な存在になっていました。

平井:「人とつながりたければ、とにかく出会う場所に行け!」ということか。シンプルかつ明快な答えですね。人と出会った経験があればあるほど、人と対面する自信につながるし、より確実に出会いをチャンスに変えていると感じます。やっぱり行動あるのみですね。

■自分の夢は周りにどんどん言うべき

井上:最後に、「フリーになれ!」と言われ続けている上原さんに、みなさんからアドバイスを頂けますでしょうか。

熊田:まずは上原さんの意見を聞きたいかな。

上原:やはりその話になるんですね(笑)。僕の人生の夢は小説家なんです。その勉強をするため、事務所に入って経験を積んでいる最中です。あとはいつも仕事が自転車操業なので、フリーになって仕事を回せるか心配です。だからまだフリーランスは考えていないですね。

平井:小説を書く時間はあるんですか?

上原:ないです。

平井:その時間はほしいですよね。

宮川:フリーになることが良いかどうかは別にして、僕の場合、今まで土壇場で動いてきました。フリーになるときも、前の事務所の助けもあり、1ヶ月足らずで決めました。会社にするときも、突然決めて行動しました。正直なところ、僕は今まであまり計画的ではなかった。

熊田:分かる。勢いは大事ね。

宮川:だからといって後悔したこともない。上原さんの「フリーにならない理由」も、上原さんが本気で考えた結果だと思います。だからこそ、ある日突然「やっぱフリーになろう!」と本気で思う日がくるかもしれない。流れと勢いは大事にしてください。

熊田:僕は感覚的に「なんかおかしくない!?」と思ったら、なんでも一度見直すようにしている。感情が持つ感覚はとても大事だから。自分の人生を見る人って、自分しかいない。上原さんも「なんかおかしい!」と思ったら、一度全てを見直した方がいい。誰も「おかしいこと」を指摘してくれない。

宮川:あと、周りって意外と助けてくれるんです。上原さんも小説家になりたいことを周りに大きな声で言った方がいい。そうしたら、上原さんが頑張っていることを知っている人が絶対にいるから、その人たちが助けてくれる。これは絶対にあります。だから自分の夢はどんどん人に言った方がいいです。

 以上、フリーランスによる座談会の模様をお送りした。フリーランスは、いわば「孤高の職業戦士」のようなもので、常に孤独がつきまとう。だからこそ自分自身の中にある哲学的な感覚が磨かれるし、仲間を見つけて助け合う傾向にある。フリーランスという存在は縁遠いかもしれない。だが、フリーランスが持つ仕事の意識や人生の感覚は、ビジネスマンが参考にしてもいいものではないかと私は思う。

取材・文=いのうえゆきひろ

@DIME編集部

最終更新:5/16(火) 7:20
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