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ウォーキング(歩くこと)の効果は思いのほか大きい --- 尾藤 克之

5/16(火) 16:10配信

アゴラ

皆さまは、ウォーキング(歩くこと)は好きだろうか。また、ウォーキングには健康以外にも様々な効果があることもご存じだろうか。

『人生のモヤモヤは歩くだけで消える』(秀和システム)(http://amzn.to/2rh5ng9)の著者である、猪狩大樹(以下、猪狩氏)はウォーキングの効果を実感している1人である。某テレビ局の製作部門チーフプロデューサーを本業とし、同時期にはじめた新内三味線は名取の腕前でもある。今回は、ウォーキングに注目した理由について聞いた。

■人類は古代から歩くことの効能を知っていた

――農耕がはじまったのは、およそ2万3千年前といわれている。人類は誕生以来、農耕開始までの期間を、狩猟と採集生活に費やしてきた。猪狩氏は、人がウォーキングをすることの関連性について次のように答えている。

「1日の移動距離についての全世界の古人類学者の共通認識は、狩猟を担当する男性で平均約20キロ、採集を担当する女性でその半分といわれています。我々の祖先は、仮に20キロ移動したとしても、食料にありつけるかどうかはまったく別問題で、その生存をかけたストレスたるや、強烈なものであったことは想像にかたくありません。」(猪狩氏)

「毎日移動しても、食料が見つからないため、もしくは、そもそも食料がどこにも無いため、動けなくなり絶滅していった種族もあったことでしょう。」(同)

――これには、我々のある能力が影響しているといわれている。

「私たちのご先祖様であるホモ・サピエンスだけが突然変異により、動くと気分がよくなるオピオイド系の快楽ホルモン(βエンドルフィン,ドーパミンなど)を脳内に分泌させられるようになったといわれています。この脳内の変化によって、移動が苦痛とならなくなり生き残ることができたのだという説があります。」(猪狩氏)

「長距離移動によって疲れが溜まって食料が探せなければ生存の危機に陥ることになりますから、疲れを感じさせないことが必要だったのでしょう。」(同)

――また、快楽ホルモンによる分泌機能は、「人類を疲れにくくしただけにとどまらない」と猪狩氏は次のように続ける。

「人間が直立二足歩行によって進化を遂げてきました。その名ごりか、私たちは歩いているときの方が、じっとしているときよりも脳がよく働く傾向にあるように思います。そもそもみなさんは、これまで机にじ~っと座っていて、いい考えが湧き上がってきたことがあったでしょうか? 」(猪狩氏)

「どちらかというと、いいアイデアは動いている、もしくは動いたあとに、ふとひらめくということの方が多くなかったでしょうか?。周囲を見渡すと、考え事をする際に歩き回ったり、散歩に出かけたり、場所を移動したりする人が結構いることに気がつきます。」(同)

――逍遙学派(しょうようがくは)をご存知だろうか。アリストテレスが創設した古代ギリシアの哲学者のグループでありリュケイオンの学徒の総称である。アリストテレスなどの哲学者は逍遙(散歩)をしながら講義を行ったことが知られている。

「なぜ歩きながら議論することを選んだのでしょうか? 。私には、歩くこととひらめくことの間に、何らかの関係があったように思えてなりません。人類が蓄積してきた『生存に不可欠な膨大なノウハウの詰まった遺伝子情報の発露』という説もあります。」(猪狩氏)

■歩くことにより発生する変化とは

――猪狩氏は、ウォーキングによって自らに起きた変化を次のように答える。

「一つが、人との出会いに恵まれるようになったということ。私たちは、この世に生れてから、両親をはじめ様々な人の支えによって今日まで生きてきたはずです。余裕が無いときには、常に自分のことだけでカツカツでした。しかし、余裕が出てくると、人は他人の助けなしには何事もなし得ないことに遅まきながら気づきました。」(猪狩氏)

「自分が変わると世界が変わるというのは、こういうことなのかも知れませんね。」(同)

本書で紹介しているウォーキングは、実行が容易であることからすぐに始めることができる。なお本書はアゴラ出版道場でもお世話になっている、秀和システムの田中氏が編集を担当している。謹んで御礼申し上げたい。

尾藤克之
コラムニスト

尾藤 克之

最終更新:5/16(火) 16:10
アゴラ

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