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墓穴に落ちかねないトランプ米大統領 --- 中村 仁

5/16(火) 16:20配信

アゴラ

傍若無人でルール無視の危うさ

トランプ米大統領の振る舞いは乱暴、秩序無視です。どこかでつまずき、弾劾による失職さえ予感させます。世界で知性の声を野生の声が勝り、野生の声を代表するトランプ氏には多くの支持者もいるでしょう。その野生の声の唯我独尊ぶりが一段とひどくなり、訴追につながるルール違反の証拠を握られ、不測の展開となることもありえます。

米大統領の政治権限は別格に強く、われわれの常識が通用しない行動をかなりとりうるようですね。そのわれわれの常識からみても、これは危ういことになりかねないと思わせるのが、連邦捜査局(FBI)のコミー長官の解任です。ロシアによる大統領選介入の疑惑を巡り、トランプ氏はコミー氏に、「自分は捜査対象ではないかどうか」と、3回もただし、「捜査対象ではない」との回答を得たといいます。

通常は、そう聞いたほうも問題だし、答えるほうも問題です。かりに日本の首相に疑惑が生じ、首相が検事総長か地検特捜部長に「自分は捜査対象か」と聞き、それが明るみになったとすると、重大な政治責任を問われる事件となります。トランプ氏の場合は、テレビのインタビューでそのことを明らかにしています。自分がシロなら、そんなことを尋ねたりはしないはずでしょうから、どこか不自然な聞き方です。

不可解な大統領の発言

さらに、コミー氏との会話を「録音したテープがある」と、ほのめかしています。FBI長官なるものが、不用意に不利になる会話を録音テープにとられるものでしょうか。録音テープが存在し、議会に提出させたとなると、捜査妨害の嫌疑をかけられかねない事件に発展し、トランプ氏にとって不利な証拠となるテープです。不可解なトランプ氏の発言です。

ニクソン大統領のウォーターゲート事件(民主党選挙組織に盗聴器設置)では、当初、小さな扱いしかされず、大統領選でニクソン氏が圧勝しました。その後、ワシントンポスト紙の調査報道で波紋が急拡大し、司法妨害、権力乱用、議会侮辱を理由に下院が訴追決議することになりました。決議直前に同氏は辞任して、弾劾は逃れる道を選択しました。

盗聴器を仕掛けるという一見、小さな行為でも、司法妨害、権力乱用などが立証されていくと、こちらのほうが政治的に重大な意味を帯び、弾劾事件に発展する。米国ではこういうことがよく起きます。FBI長官の解任がウォーターゲート事件の再現になりかねないという指摘が聞かれるようになりました。

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最終更新:5/16(火) 16:20
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