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東芝だけに限らない、経営再建中の企業にありがちな不動産売却。その最新動向は?

5/16(火) 9:10配信

HARBOR BUSINESS Online

 経営再建中の東芝が、昨年12月27日、都内の主力工場としておよそ半世紀にわたり稼働してきた青梅事業所の土地を野村不動産に売却することを発表し、大きな話題となった。

 青梅事業所売却の発表があった時点で、関係会社を含め1100人近い社員が事業所に残っていたが、順次、異動になったり、配置転換したりすることがわかっている。まさに崖っぷちの同社が取った起死回生の一手ともいえる苦肉の策だった。

 そんななか調査リサーチ会社の「東京商工リサーチ」は5月11日、2016年度に国内不動産を売却した東証一部、二部上場企業について調査結果を発表した。

◆2年ぶりに前年度を上回る

 同社の発表によると、国内不動産を売却した東証一部、二部上場企業は77社で、2年ぶりに前年度を上回った。4年連続で70社台という結果だ。譲渡価格の総額は、公表があった44社合計で2774億3400万円にも上った。

 そんななか最も金額が高かったのは三菱重工業の761億円で、財務体質強化の一環として横浜市西区のみなとみらい地区に保有する「三菱重工横浜ビル」の土地建物を売却した。

 また、公表売却土地面積のトップは、JR東海の子会社で鉄道車両メーカー、日本車輌製造の65万2781平方メートル。海外事業での多額損失や長期借入金の金額繰り上げ返済に充てるため、愛知県内の3工場や駐車場・展示場などを売却した。

 ただし、総数で見た場合、こうした工場や支店、事務所といった事業資産の売却は少なく、余剰資産の遊休地や駐車場、賃貸用不動産などの売却が半数を超え、40社にもおよんだ。

◆集約を進める企業は増える

 業種別では、卸売が10社で最多。次いで機械が9社、サービスと電気機器がともに7社。5位には小売が6社で続く結果となった。ただ、売却した面積でみると、輸送機械が7429万9055平方メートルで最も多かった。次いで、2589万1456平方メートルの機械、6万5055平方メートルの電気機器という順番だった。

 こうした結果に、東京商工リサーチは、「好業績を背景に、上場企業の不動産売却は、業績悪化などを要因にしたケースは少ない。ただ、業績が好調でも将来のビジネス展開を見据え、余裕を残して事業を見直し、工場や店舗、事業所などの集約を進める企業は増える」と分析している。

 今後、経営を安定させるための手段として不動産売却を推し進める企業はますます増えるかもしれない。

【参照】

東京商工リサーチ「2016年度『東証1部・2部上場企業不動産売却』」

<取材・文/HBO取材班>

ハーバー・ビジネス・オンライン