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芸能人・著名人で溢れる港区の宴。そこにはびこる、知人自慢する男と“宴の参加費”で稼ぐ女

5/16(火) 5:20配信

東京カレンダー

港区であれば東京の頂点であるという発想は、正しいようで正しくはない。

人口約25万人が生息するこの狭い街の中にも、愕然たる格差が存在する。

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港区外の東京都民から見ると一見理解できない世界が、そこでは繰り広げられる。

これはそんな“港区内格差”を、凛子という32歳・港区歴10年の女性の視点から光を当て、その暗部をも浮き立たせる物語である。

港区内で頂点を極めた者に与えられるキングとクイーンの称号。クイーンとなり、港区女子を卒業した凛子は、芝在住のバーキンを持つ女に違和感を覚え、芝浦アイランドは港区内遠征と切り捨てるのだった。

「今日の飲み会、“あの”メンバーのひとりが来るらしいよ。」

凛子が、ザ・リッツ・カールトン東京の1階にある『カフェ&デリ』で、カプチーノを飲みながら美奈子を待っていると、隣からそんな会話が聞こえてきた。

ちらりと横目で盗み見すると、大きめのだて眼鏡とハットで化粧っ気のない素顔を隠しながらも、独特のオーラを放つ二人組の女性が座っている。

「嬉しい!私、そのグループ大好きなんだけど。どのメンバーが来るのかな?」

「メインだといいよね。でもさ、今日市原さんも来るみたいだよ。」

二人を観察していると突然“市原”という名前が出てきて、思わずドキリと胸が高鳴る。

あれ以来、市原には会っていないが、彼が港区の中でも異様な雰囲気を醸し出していることだけは間違いない。

「凛子、お待たせ!」

もう少し会話を聞きたかったが、ちょうど美奈子がやって来た。

デニムに白Tシャツ、腕には大きめのエルメスのバングルというシンプルな装いながらも、非常にセンス良くまとまっている。

「ううん、全然。それより、後ろの2人の会話が面白くて。」

「え、私も聞きたい!すみません、アイスラテひとつ。」

注文しながらも、凛子と美奈子の耳は全て彼女たちの会話に向けられる。

「最近“ギャラ飲み”ばかりだけど、芸能人来るならタクシー代とかなくてもいいよね。」

“ギャラ飲み”という聞きなれない言葉に、思わず美奈子と顔を見合わせて笑ってしまった。

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最終更新:5/16(火) 14:20
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