ここから本文です

植田真梨恵、初めての映画は「地道で奇跡的な瞬間の連続でした」

5/17(水) 7:10配信

ザテレビジョン

5月20日(土)に東京・新宿武蔵野館ほか全国順次公開される、映画「トモシビ 銚子電鉄 6.4kmの軌跡」にて、謎の女性・キミエ役で映画デビューを果たす感情型シンガーソングライター・植田真梨恵にインタビューを行った。

【写真を見る】植田真梨恵が酔っ払いシーンの秘話も告白!

原作は、吉野翠著の「トモシビ~銚子電鉄の小さな奇蹟~」(TO文庫)。高校生ランナーと銚子電鉄との競争イベントを軸に、電車を支える人々と、電車と共に地元で暮らす人々との交流を温かく描く。

昨年末にはメジャー2ndアルバム『ロンリーナイト マジックスペル』をリリースし、年明けは同作を引っ提げた全国ツアーも完走した植田。

今回、初の映画出演に加えて主題歌「灯」を担当、そして劇中でも「まわりくるもの」を披露するなど、作品の中で大きな存在感を見せた彼女に撮影を振り返ってもらい、初めての演技の感想や共演者の印象などをたっぷりと語ってもらった。

――まずは撮影を振り返っていただけますか?

撮影は昨年の9月でした。舞台となった千葉県の銚子市にはこの撮影で初めて行きましたが、とても自然の豊かな所で、撮影はとても面白かったです。

――ご自分の演技をご覧になっていかがでしたか?

自分が出ているシーンは特に「(私の演技が)大丈夫かな~?」と、気が気じゃなかったです(笑)。部分部分撮影していたので、このシーンがこうつながっていくのか~!と全体像が見えて、ようやく監督に見えていた景色が見られて、「なるほど! 映画って面白いな!!」と思いました。

――撮影は大変でしたか?

そうですね。雨も多くて、スケジュールにもいろいろ変更があってそういう意味では大変でしたね。私自身は初めてのことばかりで、終盤のシーンを最初に撮って、序盤のシーンを後半に撮るということもあったので、気持ちの持っていき方みたいなものが難しかったです。

でも、その時その時で自分の100%のものを出すと思いながらやらせてもらいました。

――序盤のシーンでキミエが抱いていた猫のきみちゃんはどうでしたか?

きみちゃんは、とても力強かったですよ。実際、君ヶ浜にきみちゃんという猫が本当にいて、その猫を抱かせてもらう予定だったんですけど、ちょうど昨年の撮影ちょっと前に、きみちゃんが亡くなってしまったんです。それで、きみちゃん役の猫ということで、茶虎の猫ちゃんが当日来たんですけど、とても元気のいい子でした。

――お行儀は良かったですか?(笑)

良かったですよ。自分で言うのもあれですけど、私が抱いているときは割と落ち着いていました。でも、前野朋哉さんに渡そうとすると、逃げちゃいました(笑)。

その猫のご家族の方も現場にいらっしゃっていたので、逃げたときはみんなで慌てて捜し回りましたね。

――植田さんのお宅のララさん(愛猫)とは違いましたか?

ええ、うちのララさんはされるがままですので(笑)。それでいて、人がいっぱいいる所では常に怒っています。LINE LIVEでも皆さんに見ていただいているんですけど、猫は基本的にはたくさんの人の目にさらされるのは嫌ですからね。でも、きみちゃん役の猫ちゃんはそういうところもなくて、とてもいい子でしたよ。

――ミュージックビデオでも演技をされていると思いますが、映画での演技はやはり違いますか?

全然違います! 自分ではなく、監督が見えているものをみんなで力を合わせて作っていくというところが違いますね。私は一人で歌を歌って、作って、それでステージ上でたった一人でもライブをして、歌さえ歌えればもうそれで完成なんですけど、映画の場合はそうはいかなくて。

私と監督と他の役者さん、自然にあるもの、風景というか、風とか光とか、全部の状況が重なってやっとワンシーンを撮れるという、すごく地道で奇跡的な瞬間の連続なので、すごいなと思いました。

――主演の松風理咲さんの印象はどうですか?

本当にピュアで、存在自体が一枚の絵のような女の子ですよね。とても真っすぐで、すごくかわいいなあって思いました。私、年下の女の子と接するとき緊張するところがあって、一緒にいるからには楽しんでほしいなってプレッシャーを勝手に感じちゃうんです。

でも、私が歌うシーンで、松風さんも前のめりで聴いてくださっていたので感動しました。

――そしてキミエがお世話になる、杏子(松風)のお母さんを演じられた富田靖子さんはいかがでしたか?

現場に入って何日目かで富田さんとお会いしたんですけど、撮影が始まったときに、ポンッ!とスイッチが入って緊張感というか空気がガラッと変わるので、本当に女優さんってすごいなと思いました。

富田さんとお話して、目が合ったときにそのオーラを感じました。現実離れしていると言いますか、すごく不思議な感覚で、まるで魔法のようでした。

――「意味深ショット」も話題の前野さんはどうでしょうか?

前野さんは面白いんですけど、とてもミステリアスです。お話すればするほどどこまでが本当でどれがうそなんだろう、という感じがありますね(笑)。面白くて優しくて、音楽がお好きで、お芝居をしたいという気持ちがあふれていて、どこまでもミステリアスな方という印象です。

――酔っ払うシーンや前野さんに抱きつかれるように見えるシーンもありましたが、事前に打ち合わせはされました?

酔っ払いシーン(笑)。それに関しては、映像を見ながら反省したんですけど、酔っぱらって暴れる私を前野さんが押さえようとするシーンで、加減が分からなくて、感情を込めて強く殴っちゃったんですよ。

だからすごく痛かっただろうなと思ったんですけど、映像ではそれが思ったより出ていなくて。全然痛そうに見えないから、申し訳なかったなと反省しました。痛くなくても痛いように見せないといけなかったのに、悔しいです。

――終わった後には前野さんから何か言われましたか?

いえいえ、最初から「どんどんきていいよ!」と言われていましたから。あれは5テークくらい最初から最後までやったんですけど、マネジャーによると、「最後のは痛かったなあ」とカットがかかった後言っていたらしいです(笑)。

――それをご本人に言わないあたりが前野さんって優しい方ですね。

本当ですよ。でも、やっぱり申し訳なかったです。あと、キミエが入水自殺すると思って止められるシーンのとき、前野さんが「僕に身を任せてください!」って言ってくださったんです。

波がくるタイミングにパンって前野さんを投げ飛ばす、という難しいシーンだったので、撮影前はドキドキしていたんですけど、全部前野さんに身を任せていたら、パパッと現れて、パッて私を止めて、ドバーンっと勝手に飛んで行ったんです(笑)。

――勝手に飛んで行ったんですか!?(笑)

はい(笑)。私は何もやっていないんですよ。前野さんが勝手にきて、飛んで、波がさらって、終わったらみんな笑っている、そんな撮影でした。もう寒くなってきた時期の海だったので、役者魂にただただ感動していました。本当にすごかったです!

――さすがですね(笑)。他に印象に残っているシーンはありますか?

全体を通して言うと、とにかく銚子の街が素晴らしい、の一言に尽きますね。どこを切り取っても美しく画になる所で、その風景一つ一つがすてきな街でした。その中に駅伝をする高校生たちがいて、あの白い体操着姿というのが、もはや現実のものではないというか、ファンタジーのような白さを放っている。何か唯一無二な感覚がありました。

――植田さんも体操着で走ってみたいと思いましたか?

いやあ…私は絶対に走っちゃ駄目な人です。

――それはなぜですか?(笑)

私は走り方が変なので(笑)。ミュージックビデオでも走っているものがありますけど、あれで絶対に走っちゃ駄目だなと思いました。

――あ、「心と体」ですね(笑)。

あー! タイトル言わないでください…(笑)。私の走りって何であんなにバタバタしているんだろうって…悩みました。今回、私が走るシーンがなくて良かったです!

――分からないですよ。来年あたり「トモシビ2」があったら、もしかしたら…?

いやいや駄目です! キミエは絶対に走れませんってお断りしましょう(笑)。でも、私はダメですけど、キミエ本人はすごく格好良く走れるかもしれませんね。それでも監督を説得しますけど(笑)。

――劇中歌の「まわりくるもの」は最初からこれ!と決めていたのですか?

「まわりくるもの」に関しては、昨年7月に赤坂BLITZで行った私のライブ「PALPABLE! BUBBLE! LIVE! -SUMMER 2016-」を監督が見に来てくださっていて、そのときに「まわりくるもの」を聴いてくださって、「この映画のために作ったような曲ですね、映画にピッタリです!」と仰ってくださったんです。

その後「ぜひ映画の中でもこれを歌ってもらえませんか」って言っていただいて、うれしいなと思いながら歌わせていただきました。

私自身の歌でも、故郷を思った曲や場所を歌った曲ってほぼなくて、その中で「まわりくるもの」は、唯一大切な場所を思って作った曲なので、ある意味この作品とリンクしていたのかなと思います。

――エンディングに流れる主題歌「灯」についても教えてください。

この曲は完全に撮影が終わってから、思い出しながら書かせてもらった曲なんですけど、最初、監督は私の「ペースト」という曲を気に入ってくださっていて、「すごく映画に合いそうだよね~」って言っていらして、私も確かに合うなあと思ったんです。

でも、「ペースト」は電車がテーマの曲なんですけど、都会に住む人たちが満員電車に乗って、感情が全部ペースト状になったということを描いている曲なので、どちらかというとその真逆のことを歌いたいなと。銚子電鉄の曲を書くなら、ちゃんと感情がそこにあって、遠回りしても大切な人に届きますようにと思いながら書いた曲です。

――季節は春ですが、植田さんご自身は春に見たい・聴きたいエンタメ作品は何かありますか?

春になるとなぜか暗い映画や曲に引かれるんです。今は久しぶりに「ジョゼと虎と魚たち」(2003年)を見たいですね。あと、「人のセックスを笑うな」(2008年)のサウンドトラックがめちゃめちゃ好きなんですけど、それもすっごく春っぽくて、胸がキュンとなる感じでいいですよね。

――ありがとうございます。では、最後にこれからご覧になる方へメッセージをお願いします。

本当にただ眺めているだけでも景色一つ一つがきれいで、心が休まります。主人公の杏子ちゃんもそれ以外の人たちも、みんな心が真っすぐで、誰もが憎めない人ばかりなので、ぜひ劇場に心温まりに来ていただきたいです。

最終更新:5/17(水) 7:10
ザテレビジョン

記事提供社からのご案内(外部サイト)