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これまで困難だった「ガラスの3Dプリンティング」に成功

5/17(水) 17:10配信

ライフハッカー[日本版]

inc.:3Dプリンティングは製造業に、急激で重要な変化をもたらしました。各社は衣料品製造や航空機製造などにおいて、カスタマイズされた部品をオンデマンドで作成できるようになっています。


この技術は、年を追うごとにますます進化しています。それを端的に示す例が、ガラスの3Dプリンティングです。ドイツの研究チームが、現在広く使われている3Dプリンティングの手法を用い、細工が施された小さなガラス製品をつくることに成功したのです。この研究成果は、「Nature」誌に2017年4月19日付で発表されました。


プラスチックや金属の3Dプリンティングは以前から行われていますが、ガラスは難しい素材です。その大きな理由は、融点が非常に高いことです。これまでも他の研究チームによりすでに何度か実験が行われていますが、透明度が低いか、あるいは、プリンティングの層が肉眼ではっきり見えるという問題が生じています。


しかし、ドイツにあるカールスルーエ工科大学のチームは、「光造形法(ステレオリソグラフィ)」と呼ばれる技術により、こうした問題を回避しました。同チームは、粉末化したガラスと液体ポリマーの混合物を、3Dプリンターで成形。層ごとに紫外線レーザーを照射して、急速に硬化させました。


次に、成形されたオブジェクトを高温の窯に入れることで、ガラスが溶けて一体化し、不要な部分が焼失しました。こうして、層の痕跡が残らない透明なガラス製品が完成したのです。


研究に参加したBastian Rapp氏は「New York Times」の取材に対し、この手法を使えば、いずれは、窓や鏡に使えるくらい平滑なガラスや、スマートフォンのカメラのレンズに用いるくらい複雑なガラスをつくることができると答えています。また、従来の製法よりはるかに容易で、コストも低くなるとのことです。従来の一般的な製法では、原材料の珪砂などを高温で溶かし、それを溶融スズの上に流し入れたり、危険な化学物質を使って細工を施したります。しかし、3Dプリント技術の場合は、ソフトウェアでデザインすれば、あとは機械に任せるだけです。今回つくられたガラス製品はわずか数センチの小さなものですが、最終的には、高層ビルの外壁など、大きな構造物の製造も3Dプリンティングで可能になるとRapp氏は述べています。


アンダーアーマーやアディダスなどの衣料品メーカーはすでに、スニーカーのパーツ製造に3Dプリンティングを使用しています。ボーイングやゼネラル・エレクトリック(GE)などの航空機メーカーも、部品製造に3Dプリンティングを使うことが多くなってきています。


現在のところ、家庭用の3Dプリンターはまだ普及していませんが、Rapp氏は次のような未来を思い描いています。「いずれは、グラスを落として壊したら、新しいグラスを3Dプリンターでつくれるようになるでしょう」


The Next Frontier for 3-D Printing Is Here: Glass|Inc.

Kevin J. Ryan(訳:米井香織/ガリレオ)
Photo by Shutterstock.

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