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葬式にサプライズ的演出 『太陽にほえろ!』生演奏など

5/18(木) 7:00配信

NEWS ポストセブン

〈昨日、最近の葬儀では、参列者に無理に遺体の顔にさわらせたり、遺族に参列者の前で湯かんをさせたりするものがあると聞いて驚愕した。葬祭業者は、常軌を逸した演出に傾いている。まじ、「葬式は、要らない」。〉

 4月24日のツイッターでこう述べたのは宗教学者の島田裕巳氏だ。この発言には、多くの賛同の声が上がった。今時の葬式に「感じるところ」がある人が多いのだろう。

 今時といっても、海への散骨や樹木を墓石代わりにする樹木葬のようにスタイルそのものが変わっているわけではなく、喪服、線香の香り、読経といった昔ながらのしめやかな雰囲気を装いながら、“サプライズ的演出”で参列者を戸惑わせるタイプの葬式だ。都内在住の60代の男性は、会社員時代の元上司の葬式に参列し、あっけにとられたという。

「途中までは普通だったのですが、お棺に花を供えたあと、司会者が『献唱』と題して、故人の好きだった歌を心を込めて一緒に歌いましょうと呼びかけたんです。曲は『見上げてごらん夜の星を』だったかな。私以外の参列者も戸惑っていました。

 式の前に練習していたのでしょうか、奥さんやお孫さんが涙で途切れ途切れになりながら歌いきったのですが、歌い終わると拍手する参列者もいて、張り詰めていた神妙な空気がおかしなことになってしまいました」

 それでも、この選曲はまだ良かった方かもしれない。40代の会社員の男性は、同僚の父親の葬式で耳を疑った。

「セレモニーホールに到着すると、シンセサイザーで“生演奏”されていたのです。随分豪華だなと思ったのですが、故人を見送る時の曲が何と『太陽にほえろ!』のメインテーマ。あの、タララ~ってやつです。こちらは曲に合わせて盛り上げたほうがいいのか、あくまでしめやかに送り出すべきなのか迷ってしまい、とりあえず頷きながらリズムを軽くとっておきました。どんな表情でいるのが正解だったのか、いまだにわかりません」

 脳裏には爆発を避けながらパトカーが激走する様子が浮かび、なんとも言えない雰囲気だったという。

「後で同僚に聞いたら父上は石原裕次郎の大ファンで、葬儀社から好きな曲を生演奏できると言われて選んだとのことです。サンプルに裕次郎の『わが人生に悔いはなし』や、タンゴやジャズ、洋楽ポップス、ダンスミュージックもあったので“だったらいいか”と判断した、と言っていました。ご遺族は父上らしい式になったと満足していたので、それでよかったのでしょうけど……」(同前)

※週刊ポスト2017年5月26日号