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自民総裁選で菅官房長官vs安倍首相、平成の角福戦争か

5/18(木) 7:00配信

NEWS ポストセブン

 来年9月に安倍晋三首相は自民党総裁任期を迎える。党内では今のところ「安倍三選は確実」との見方が強いが、派閥再編の動きによって情勢は大きく変わる。

 安倍一強といっても、それを支える最大派閥の細田派は自民党議員の4分の1を占めているに過ぎない。党内が細田派、大宏池会(新・麻生派)、そして二階俊博幹事長と鈴木宗男氏を軸に額賀派(55人)、二階派(41人)、石原派(14人)が結集する大田中派、の3派閥に収斂していく“自民党三国志”状況の中で駆け引きが展開される可能性も出てきたからだ。

 政治ジャーナリストの藤本順一氏は「カギを握るのは長老グループの動向」と指摘する。

「派閥再編となれば各派は前会長の意向を無視できない。とくに岸田派名誉会長の古賀誠氏が反安倍の急先鋒で麻生太郎氏主導の大宏池会構想に難色を示していますし、むしろ安倍首相と距離がある旧竹下派オーナーの青木幹雄・元官房長官や二階、鈴木宗男両氏とパイプが太い。

 二階―宗男連合を中心に二階派と額賀派、それに岸田派が結集すれば安倍包囲網ができる。かつての田中派と大平派の大角連合で福田派を破った“角福戦争”と同じ構図です」

 実は、額賀派と岸田派は永田町の同じビルに派閥事務所を置き、すでに若手議員が定期的に会合を開く親密な関係にある。額賀派をブリッジに3派(二階派、岸田派)の若手交流が進んでいる構図だ。

 焦点は二階氏が安倍三選阻止のために誰を対抗馬に擁立するか。二階氏周辺からはこんな構想が浮上している。

「78歳の二階さんは派閥を託せる後継者を探している。霞が関に睨みが利き、各業界を束ねて利害調整するという田中派のDNAを受け継げる意中の人物は自民党内を見渡しても1人しかいない。

 竹下派出身で“七奉行”の1人、梶山静六氏の側近だった菅義偉・官房長官だ。二階さんはいずれ菅さんに跡を継いでもらいたいと考えている」

 菅氏は、現在は無派閥だが、急死した鳩山邦夫氏の派閥横断グループ・きさらぎ会の顧問に迎えられた。その鳩山氏の跡を継いだ二郎氏は二階派に入会し、きさらぎ会にも二階派や旧ムネムネ会のメンバーが多い。人脈的にも実力的にも大田中派の盟主としての資格は十分だ。

 そうなれば、自民党は安倍首相と菅氏が党を二分して戦う“平成の角福戦争”の大激震に見舞われる。

※週刊ポスト2017年5月26日号