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操作が難しいMT車の方が簡単なAT車より事故率が低い理由

NEWS ポストセブン 5/18(木) 16:00配信

 一方でMT車は、一時停止時には左足でクラッチペダルを踏んでいる。そのため、仮に誤って右足でアクセルペダルを踏んでしまっても、エンジンを“ふかす”だけで、急発進することはない」

「MT車のほうが事故が起こりにくい」ことを裏付ける研究結果がある。

 2004年、鳥取環境大学環境情報学部情報システム学科の鷲野翔一教授(当時)は全国の交通事故を「右折事故」「左折事故」「出会い頭事故」「追突事故」「正面衝突事故」の5パターンに分けて分析した。その結果、「正面衝突」を除く4種類の交通事故において、MT車の事故率はAT車の約2分の1だった(「正面衝突」の事故率はほぼ同程度)。

 操作が難しいMT車のほうが、簡単なAT車より事故率が低いのはなぜか。運転操作に詳しい近畿大学の多田昌裕講師(交通情報学)が解説する。

「MT車の運転は、『クラッチを踏む』『ギアを入れる』『半クラッチで繋ぐ』など手間がかかりますが、それゆえ運転に集中する。しかしAT車の場合、運転が単純作業になり、注意力が散漫になって事故に繋がってしまう。特に、渋滞時にシフトチェンジをしなくていいのは楽ですが、そういうときこそ注意してほしい」

 実際、75歳以上のドライバーの34.8%が「運転中の注意散漫で事故を起こしそうになった」という経験があるという(MS&AD基礎研究所調べ、2017年)。

 加えて、AT車だと「MT車よりエンジンブレーキの効きが弱い」(前出・平塚氏)ので、ぶつかる前に止まれないという分析もあった。

※週刊ポスト2017年5月26日号

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最終更新:5/18(木) 16:39

NEWS ポストセブン