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「バイト敬語」~ファミレス、コンビニの急拡大に伴って蔓延 誤りとは言い切れないが、世間は「気になる」

5/18(木) 7:30配信

日本の人事部

「バイト敬語」とは、アルバイト店員が多数を占める飲食店やサービス業において、しばしば接客時に用いられる特徴的な言葉遣いのことです。とくに、ファミリーレストランやコンビニエンスストアの店員がよく使うことから、「ファミコン言葉」とも呼ばれます。たとえば、「こちら和風パスタになります」の「~になります」や、「1000円からお預かりします」の「~から」、「お弁当のほうは温めますか」の「~のほう」などを用いた言い回しが代表例。メディアではよく、日本語の乱れやいわゆる若者コトバの典型として批判的に取り上げられます。学術的な見地からすると、必ずしも誤った表現とは言えないとの分析もありますが、一般的には違和感を覚えたり、不快に感じたりする人が多いのが現状です。

ファミレス、コンビニの急拡大に伴って蔓延 誤りとは言い切れないが、世間は「気になる」

新しく社会人になる学生のための支援サイト「マイナビ学生の窓口フレッシャーズ」が、新社会人(2017年2月時点で内定を獲得している大学4年生)を対象に実施した調査によると、「敬語に自信があるか」という質問に対し、「ない」と答えた人は63.4%で、全体の6割を超えています。また、「普段から『バイト敬語』を使っているか」との問いには、3割弱が「使っている」と回答。接客のアルバイトなどで身についてしまい、いけないと思いながら、つい使ってしまうという人も多いようです。

「バイト敬語」がマスコミに紹介され、世間から注目されるようになったのは1990年代。ファミリーレストランやコンビニエンスストアの急成長と同時期です。店舗の普及に伴い、社会経験の乏しい若者のアルバイト店員が接客の現場にも増えたため、彼らの使う「バイト敬語」を消費者がよく耳にするようになったのでしょう。ちなみに、上に挙げた「バイト敬語」の例文を本来の敬語表現に直すと、次のようになります。

「こちら、和風パスタになります」 → 「こちらが和風パスタでございます」
「1000円からお預かりします」 → 「1000円をお預かりします」
「お弁当のほうは温めますか?」 → 「お弁当は温めますか?」

ほかにも、注文を確認する際によく使われるのが「以上でよろしかったでしょうか」。「以上でよろしいでしょうか」が本来の語法です。

なぜ、こうした特徴的な言い回しが若いアルバイト店員の間で使われるようになったのでしょうか。先の調査結果が示すとおり、一般に若者は自らの敬語に自信がありません。敬語使用への不安から、とにかく無難に、失礼のないようにと思うあまり、過剰に丁寧な表現を用いたり、行為の主体性や対象をあえてぼかしたりするケースが増え、自然と定着していったのではないかと考えられます。とくに、コンビニなどはフランチャイズ契約が多く、接客時の言葉遣いなどは各店舗の店長に任されているため、徹底した指導が行われないまま広まってしまったという事情もあるようです。

意外にも、日本語の専門家の間には、アルバイトの立場や責任の所在から、このような表現を「間違いとは言えない」とする声も少なくありません。しかし、世間一般の受け止め方は厳しくなる一方です。文化庁の「国語に関する世論調査」によれば、「1000円からお預かりします」の「~から」と、「お会計のほう、1万円になります」の「~のほう」という言い方が「気になる」と回答した人の割合は、96年はそれぞれ38.4%と32.4%でしたが、02年には45.2%と50.6%、13年には55%と63.5%と増加する傾向にありました。

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最終更新:5/18(木) 7:30
日本の人事部

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