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長時間フライトの健康への影響を検証してみた

5/18(木) 17:10配信

ライフハッカー[日本版]

現在、世界最長の民間飛行便は、2月に導入されたオークランド(ニュージーランド)からドーハ(カタール)へ行く便で、17時間半かかります。しかし、この記録が塗り替えられるのは時間の問題でしょう。というのも、シンガポールからニューヨークに行く19時間のフライト、シドニーからロンドンへ行く20時間のフライトが近々導入されると言われているからです。

これらの非常に長時間のフライトは、コストが安く効率が良いですが、時間が長いのでツラく感じるというデメリットもあります。では、このような長時間のフライトが、一般の人々の健康に害を及ぼすことはないでしょうか? 最近報道されたような、飛行機からひきずりおろされたり、サソリが落ちてきたりする、といった被害の他にも、飛行機に乗ることでもたらさえる危険はいくつかあります(詳しくはこちらの記事をご覧ください)。とはいえ、著者は、数時間だけ長く飛行したところで、健康リスクは変わらないのでは、と感じています。

航空宇宙医学の医師で航空宇宙医学協会の元会長であるFanancy Anzaloneさんは「飛行時間が旅行全体の時間の17分の1以下なら、そんなに大きな影響がありません。とはいえ、長時間のフライトの時に気にすべきことはたくさんあります」と言います。

飛行時間が長ければ長いほど細菌の感染リスクが高まる

窮屈な座席に何時間も座っていることは、不愉快なだけではありません。長時間座り続けることで血流が悪くなり脚に血栓ができる、静脈血栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)になってしまう恐れがあります。動かない時間が長くなるほど、そのリスクは高まります。最悪の場合、血栓が壊れ、肺につまります。幸いなことに、こうなるケースはまれですし、頻繁に立ち上がり動いたり、足を曲げ伸ばししていれば、大丈夫です。Anzaloneさんによると「乗客は3~4時間に1回は立ち上がり、歩きまわらなければなりません。でも、椅子に座っている時にかかとを上げ下ろししたりするだけでも、深刻な血栓になるリスクを下げるための大きな効果があります」とのこと。

また、飛行機の機内でもらえるソフトドリンク、コーヒーなど利尿作用の高い飲み物を避け、体内に水分をとどめておくことも、予防に効果的です。「長時間のフライトの場合は、前日から体内に水分をとどめておくことをおすすめします」とAnzaloneさんは言っています。

機内の空気はとても乾燥しているので、あっという間に身体から水分がなくなっていき、細菌感染から身体を守ってくれる粘膜も乾いてしまいます。そうなると、他の乗客から風邪をうつされるリスクが高まります。Anzaloneさん曰く「飛行機に乗っている時間が長ければ長いほど、風邪をうつされるリスクは高くなる」そうです。

だから、風邪気味の人の近くに座ってしまったら「運が悪かった」と思うしかありません。でも、機内を循環する空気が病気の感染を広げる、という考え方は迷信です。ケビン大学の麻酔科医で、ドイツ航空宇宙医学会の会長でもあるJochen Hinkelbein教授は、次のように述べています。「機内の空気の流れは優れた技術で管理されているため、通常は2列前に座っている人からウイルス感染するリスクはありません。」

それよりも、テーブル、トイレなど、不特定多数が使う場所を触ることによる感染に気を付けましょう。これらの場所は、フライトが終わった後に拭き取られます。Anzaloneさんは「経験上、長距離フライトをおこなっている主要な航空会社は、飛行機内をできるかぎり清潔に保とうとしていますが、ウェットティッシュやハンドサニタイザーは持って行っておいたほうがよいです」と述べています。この言葉をよく覚えておき、機内では、触る箇所を最小限にとどめるのが一番です。

飛行機に乗ることにより少量の放射線にさらされる、という点についてできる対策は、ほとんどありません。マサチューセッツ工科大学の航空工学エンジニアのスティーブン・バレットさんによると「飛行機に乗っている時間が長ければ長いほど、さらされる放射線の量は多くなる」とのことです。

しかし、ほとんどの旅行者が1年あたりに被曝する放射線量は、一般の旅客に推奨される放射線被ばくの範囲内です。旅行者がどれだけ放射線に被曝するかの計算をしたバレットさんによると「頻繁に長距離飛行をしている旅行者は、潜在的に放射線被ばくの推奨限界を超える可能性がある」と述べていますが「少しだけ推奨限界を超えたからといって、実際に健康上の心配があるほどではない」そうです。なお、これらの低レベルの放射線被ばくが全く無害なのか、それとも有害ならどれほど有害なのかは、明らかになっていません。

パイロットや乗務員は、アメリカ疾病予防管理センターが放射線作業員と同等とみなすほどの時間を空の上で過ごし、放射線にさらされています。そのため、長距離の飛行、高い高度での飛行、北極や南極を超える飛行の回数の制限を推奨しています。

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